9月30日、「大口病院」に侵入したとして、神奈川県警神奈川署が『週刊SPA!』の記者など2名を逮捕したのは大手マスコミ既報の通り。(冒頭写真=「毎日」10月1日記事) 確かに、この2人自身も容疑を認めているように、不法侵入といわれればその通りだろう。 だが、本紙が疑問に思うのは、なぜ週刊誌記者を逮捕したのかということ。取材としてなされた行為であり、また、病院という場所は不特定多数の者が出入りするいわば公共の場。形式犯ともいえ、口頭注意でもいいのでは。何しろ、同じことを全国紙などの記者クラブ所属記者がやっても逮捕はなかったと思われるからだ。 05年5月、『フラッシュ』記者2名が死体遺棄現場への住居侵入容疑で逮捕された際にも述べたが、警察(背後には国。自治体警察は建前)は基本的に、記者クラブ制度を通じてコントロールできる大手と違い、時に国側にとって不都合なことでもゲリラ的に報じ得る(いまでは、ますます皆無に近くなっているが)週刊誌、フリー記者など、記者クラブ外のメディアに対しては、大義名分が立つと見た時にはこうした“見せしめ逮捕”をして圧力をかける。これが、今回事件の本質だろう。 本当に報道の在り方を考えれば、今回の件、警察情報をただ報じるのではなく、こうした批判もあってしかるべきと思う。いずれ、自分たちにも降りかかることで、単なる警察の情報タレ流しは自殺行為ともいえるのだから。だが、そんな報道は皆無。記者クラブ所属マスコミは自分たちの逮捕はあり得ず他人事と思っているのであれば、こんなおめでたい話はない。…