大阪地検特捜部は12月5日、「黄檗宗」の寺院「安城寺」(愛媛県松山市)の住職・三木徳久(本名・片井徳久。56)を背任容疑で逮捕した。
片井容疑者は12年1月、大阪のD社から1億5000万円を借りた際、返済期限までに返せない場合、担保の寺で代物弁済すると契約をしていたにも拘わらず、別の寺に寄付の形で寺の土地・建物を所有権移転しD社に損賠を与えたというもの。
今回のこの大手マスコミの報道だけ見れば、末寺のクソ坊主が問題を起したに過ぎないとも映るだろう。
しかし、片井容疑者が実際に踏み倒した借金総額は約30億円ともいわれる。しかも、それは同寺の檀家総代とタッグを組んでのこと。
さらにいえば、片井容疑者は自分が所属する黄檗宗ではなく、PL教団の後継者を名乗り、さらには末寺住職どころか、黄檗宗の研修道場まで一時、乗っ取り、そうした信用を背景にファンド詐欺まで働いていた疑惑さえある。一方、PL教団や黄檗宗本山側も怪しい動きを知りながら手をこまねいていたどころか、黄檗宗側に至ってはカネに転んで本山研修道場の権利をそんな片井容疑者にあえて譲渡していた疑惑まである。
本紙は3年以上前からそうした疑惑を掴み、折に触れ、6度報じていた。