マンションの大規模修繕工事を巡り談合を繰り返していたとして、公正取引委員会は6月11日、施工会社30社超と設計コンサルタント会社2社につき、独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定するなどの方針を固めたと大手マスコミは一斉に報じた。(冒頭写真=「日経」6月12日)
マンション、それも高層マンションが増えるなか、今回、認定される「長谷工コーポレーション」(1808。東証プライム)子会社「長谷工リフォーム」、大手ゼネコン「清水建設」(1803。東証プライム)子会社「シミズ・ブルライフケア」など、大手建設会社も“修繕工事”に参入するなか、このマンション大規模修繕工事の施工会社間で談合を繰り返し修繕費を水増し。その割合は平均2割とも言われる。
こうしたなか、公正取引委員会は2025年3月から首都圏の施工会社などの立ち入り検査を開始。最終決定はまだながら、独禁法違反を認定し、すでに各社に排除処置命令の処分案を通知。また、施工会社には計約16億円の課徴金納付命令を出すという。
10年に1度とも言われる大規模修繕をしてもらう分譲マンション住民にしてみれば、談合で修繕費水増しなど、とんでもない犯罪行為と言ってもよく、今回、始めて公取がマンション大規模修繕工事業界へメスを入れたことは拍手喝采だろう。
ただし、一罰百戒の狙いもあってか、立ち入り検査したのは首都圏の施工会社がほとんどということもあり、悪いのは施工会社だけと見られがちだ。
だが、本紙では2025年10~11月にかけ、この疑惑につき、「『マンション大規模修繕工事業界のドン』の正体」というタイトルで3回レポート。大規模修繕工事専門施工会社の裏には、この業界全体を牛耳る「ドン」がおり、それはマンション管理組合と施工会社の間に入る設計コンサルタントの者だと指摘していた。
そして、今回の公取の認定は、本紙のこの指摘と矛盾しないどころか、本紙指摘の正しさを追認していると言えなくもない。
本稿では、その解説をしたい。
今回の報道では、施工会社だでなく、設計コンサルタント会社2社も独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定されている。
具体的には「翔設計」(東京都渋谷区)と「リノシスコーポレーション」(大阪市中央区)だが、この2社は本紙指摘の「ドン」と極めて親しい関係にあるからだ。



