アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第171回「東海林さだおは永遠のバイブル」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

 東海林さだおが亡くなった(享年88歳)、つげ義春も同じ年だ。こちとらがB級グルメライターになったのも東海林さだおのエッセイの存在が大きい。あこがれの師匠というか、マンガも沢山読んだけど、エッセイはほとんどすべて読みまくった。
食のエッセイは『週刊朝日』に連載された「あれも食いたい これも食いたい」(1987~2023。その後、朝日新聞で連載継続)がお馴染みだが、その原点ともいえるのが1975年に刊行された『ショージ君の「さあ!なにを食おうかな」』(平凡社。雑誌『太陽』に連載)なのである。実は刊行当時に購入して、現在は1981年の文春文庫版を持っている。先日、45年も経って変色したのを久しぶりに読み返してみたら、何回も笑ってしまった。
 著名人の食のエッセイは、どこそこのあれが美味かったという話がほとんどだが、ショージ君は違う。たとえば「昏迷と苦悩の昼下がり」という章では、新宿にてその日の昼食(外食)をどうするか、汁系にするか肉系にするか、いや中華系か…。店先を巡りながら決めかねて迷い悩み、「一体自分は何のために歩いているのかさえわからなくなってきた」と「昏迷と惑乱と、逡巡と苦悩と疲労の1時間半」を費やした末に、最後に新宿駅の立ち食いそばでかけそばを食って救われたという顛末が、シュールな不条理世界に入ったかのようなスリリングなタッチで描かれる。凄いのは半世紀以上経っても「分かる分かる」と共感できるところだ。

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