本紙では昨年10~11月にかけ、「『マンション大規模修繕工事業界のドン』の正体」と題する記事を3回に渡り報じた。
昨年3月、公正取引委員会は、首都圏分譲マンションの大規模修繕工事について、初めて独占禁止法違反の疑いで、東京都内の施工会社約20社に立ち入り検査を開始した(その後約30社に拡大。現在も調査中)。加えて、関連の「告発文」を入手したことが連載開始の契機となった。
全国のマンションの大規模修繕工事は、今や建設業界において無視できない利権になっており、大手建設会社系の専門業者も少なくないほどだ。ところが悉くといっていいほど入札談合になっており、工事費を2~3割も高値受注しているという。大規模修繕を依頼するマンション住人にとっては、とんでもない重大疑惑だ。
公取が検査に入ったのは施工会社ながら、「告発文」は、マンション大規模修繕工事業界でこの“調整”で最も力を持っているのは某設計コンサルタント会社だと具体的に指摘する内容で、本紙ではこの設計コンサルタントの社長と、顧問でオーナーの「ドン」を取材し、その言い分も紹介した。
その設計コンサルタント会社と「ドン」を名指しして報じたことはマスコミ初のことと思われ、この連載は大きな反響を呼んだ。
そして、この第3弾記事では、談合疑惑を払拭するため、一般財団法人や一般社団法人といった公的業界団体まで使っている疑惑も取り上げていた。
そうしたところ、他の公的団体でも、公平に選んだことにしながら、実際はその公的団体に影響力を持ち、公募といいながら、自身そこから優先的に大規模修繕工事を受注している施工会社があるとの情報が本紙に寄せられた。しかも、その施工会社は本紙が報じた設計コンサルタント会社や「ドン」とも癒着しているというのだ。
そこで、本紙では告発者に取材の上、この施工会社に質問状を出し、今年2月下旬に「回答」をもらったものの、実名を上げて報じるまでの裏づけを得られなかった。しかし、その後も取材を続行し、再度、取材申し込みを行い、4月に入り2度目の「回答」を得、ようやくそれなりの裏づけを得たので、以下、その件を報じる。



