上場も検討しているとされる、テレビCMでもお馴染みの大手有料老人ホーム。 しかし同社の設立経緯などを調べると、不可解な事実や、問題点がいくつも浮上して来る。 最近では、“病院乗っ取り屋”の新田グループなど、たくさんの事件屋が跋扈、「丸石自転車」(東証2部)の倒産の原因となった、失敗した有料老人ホーム事業のパートナーだった医療法人「松嶺会」(倒産)絡みでも登場していたのは記憶に新しい。 さて、この大手有料老人ホームに“乗っ取られた”と関係者が訴えているのは、同社が現在、群馬県内で経営している有料老人ホームだ。 99年4月、「Tサービス」(東京都世田谷区)なる会社が設立され、有料老人ホーム開設を目指した。 ところが、すでに工事も始まった時点で予定されていた銀行融資がストップ。そのため、資金難に陥り、工事続行を巡って建設会社や土地所有者等と話し合いが持たれた際、当時のT代表が吊し上げを食らい、関係者から信頼できないとして、代わりにS役員が代表印等を保管することになったという。 ところが、このS役員が大手有料老人ホーム側と当初から裏で繋がっており、実際には株主総会など開催されていないにも拘わらず、その代表印等で持って01年7月、T代表等に無断で大手有料老人ホーム側の面々に役員をすげ替えて乗っ取ってしまったというのだ。 それだけでなく、大手有料老人ホームは債権があったとして、有料老人ホームの建つ土地(約655坪)は02年2月、「代物弁済」を原因に同社所有に。また、完成した4階建て有料老人ホーム施設も02年3月、違法に同社所有として登記されてしまったというのだ。 そのため、直後、元代表等はS役員と大手有料老人ホームの代表を有印私文書偽造・同行使、業務上横領罪で警視庁に告訴しようとしたのだが、その直前、これまでの心労から元代表は倒れてしまい告訴は見送りになっていた。 だが、再び、当時の関係者が告訴、ないし告発を検討しており、近く訴えるのは必至の情勢だ。…