「ANAPホールディングス」(3189。東証スタンダード。東京都港区。冒頭は同社株価チャート)はこれまでに何度か取り上げて来ていて、仕手筋の動向を追ったものだが、『週刊ダイヤモンド』が金の流れを詳細に報じており、参照していただきたい。昔からある典型的な手法だ。資金を融資し、二束三文の資産をANAPに高額で買い付けさせる。そして、ANAPは増資して返済も減損処理。
かつてIBダイワ(グローバルアジアホールディングス )というハコモノがあった。もう10年以上前なのでバラしても問題ないだろう。社長が逮捕されたが、筆者に当局から話が聞きたいと連絡があった。しかし、守秘義務を求めると立ち消えになった。この事件の詳細は後述。
話を元に戻しANAPだが、仕手筋が関与しはじめたのは昨年から。例によって増資絡みとなる。今年1月、仕手筋ご用達証券に同株600万株が入庫される。380円前後の株価だったが、「600円までやる」と豪語していた。そして7月には1835円まで急騰した。さて、ダイヤモンドによると、短期間社長を務めた湯浅慎司氏は追い出されるも、8月に「サイバーステップ」(3810。東証スタンダード。東京都杉並区)の社長に就任。
ダイヤモンド社の記事に付け加えるが、ANAP同様、サイバーステップの株式も金融屋に担保として提供していた。そして、担保提供後、どちらも大幅高となる。増資分は、6月初めから仕手筋ご用達証券で大量に売却。また、サイバー本体の関連会社で自社株買い捜査の疑いが噂として兜町で流れていた。当時、同社の佐藤類社長の口座もその仕手筋ご用達証券に開設されたという。なお、社長本人の売買情報は確認できていない。



