プロフィール 投資歴26年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。
≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週金曜日の日経平均株価の終値は、49,300円と前稿比+1,718円(※前項比▲507→ +2,319→ +415→ +587→ +1749→ +301→ +85→ +▲745→ 1558→ +1020→ ▲656→ +1637→ +249→ ▲241→ ▲348→ +1748→ +569→ +92→ ▲223→ +805→ +594→ +251→ +672→ +1125→ +976→ +1144→ ▲195→ ▲3339→ ▲557→ +624 →+166 →▲269→▲1621→▲372→+362→▲785→▲360→+1481→▲739→▲705→+193円(大納会))となった。
週末金曜日は、米国消費者物価指数CPIに波乱がなかったことで、利下げ当確ランプがともったのか? 日経平均先物は49,555円まで上昇してNY引けとなっている。※2025年の最高値は10月9日夜間につけた48,915円。2025年の最安値は4月7日(月)30,793円。2024年8月5日は31,156円のフラッシュクラッシュがあった。
ドル建て日経平均株価の終値は322.3ドル。
(※317.7→314.6→310.1→302.9→303.6→302.9→303.6→290.3→290.6→287.1→294.7→283.8→271→282.1→267.7→269.4→275.9→278.2→264.1→264→262→263.8→259→260→257.9→253.8→248.5→244→233.3→231.3→246.3→252→249.3→250→247.7→257.7→256.5→255.8→255.8→257.3→247→247.5→252.6→246.7(大納会))。こちらは今年の最高値は10月21日の330.4ドル。最安値は4月7日に211.2ドル。
NYダウは、週間で+1016ドル高となる47,207ドル(※前稿比+711→▲1278→+511→+413→+417→▲433→▲144→▲87→+686→+770→+587→▲1313→+560→▲30→▲457→+1010→+1612→▲565→+493→+667→▲1052→+1406→▲68→+1203→+972→▲1071→+1898→▲3269→▲401→+497→▲1314→▲1039→+413→▲1,118→+243→▲242→+121→+936→+1550→▲794→+151→▲259)。※最高値は2025年10月25日の47,207ドル。※4月7日に36,612ドルが直近最安値。
ナスダック100指数は25,358Pと、前稿比+540P高(※前稿比+596→▲550→+268→+412→+440→+237→▲83→▲214→+101→+848→▲509→+207→+284→▲86→+333→+908→▲5→▲131→+421→+425→▲512→▲1367→▲42→+670→+1175→▲702→+1562→▲1,883→▲473→+49→▲496→▲683→▲730→▲501→+624→▲23→▲296→+333→+594→▲450→+183→▲175)であった。※最高値は2025年10月25日25,358P。2025年4月7日に16,542ドルが直近最安値。
さっそくストラテジーへと移りたい。
今週はいろいろなイベントが盛りだくさんすぎて忙しい週となるが、最重要だと筆者が感じているのは4つ。
1つ目は10月29日(木)米国FOMCを受けての「パウエル議長記者会見(3:30)」。
2つ目は10月30日(木)の早朝の米国決算「マイクロソフト、アルファベット、メタ」社、そして3つ目は、同日行われる「米中首脳会談」である。
まず1つ目となる米国「FOMC」。すでに利下げは確定的なため、パウエル議長の記者会見でQTの停止が出るかどうか? またその道筋が発表されるか? だけが極めて重要となるだろう。現時点ではこの点、半信半疑の対応をしているヘッジファンドが多そうで、QTの話がでるのなら、基本的には「米国債」の「米国株式」に強めの燃料となるだろうと考えている。
2つ目は「米国決算」だ。
現在S&P500社のうち、先週末までに143社の決算発表が終わり、87%の企業がコンセンサス(事前予想)を上回る好決算となっている。現時点でまとめると、2025年のEPS成長率は+10.4%の伸びになっており、これは決算発表前のブルームバーグの予想+7.2%から上方修正されている。特に序盤戦の金融セクターが好調で、決算前の+12.4%予想から+21.2%に大きく上方修正されたことが大きかったようだ。
いつものことではあるが、スタート時の予想を4~5%ぐらい上回って着地するのが米国流の決算で、それがコンセンサスとなっていることもあり、現在のところ進捗は想定通りといったところ。
売上についても、S&P500全体で今3Qは+6.7%の増収が見込まれているが、これはここ最近では最も高い伸び。24年1Q(3.9%)、24年2Q(5.5%)、24年3Q(5.5%)24年4Q(5.2%)、25年1Q(5.0%)、25年2Q(6.4%)で、今Qが+6.7%見込み。
つまり米国経済は、トランプ氏がむちゃくちゃやっても(※米国企業決算にもマイナス寄与になる可能性も報じられていた)右肩上がりの成長になっているということだろうか? この点については今週、マグニフィセントセブン銘柄が決算発表をするので推移を見守りたい。また日本の企業決算ではこうはならない(※関税がプラス)だろうからさらに注視したい。
3つ目は、「米中首脳会談」での貿易協議の行方だ。これに関しては、ベッセント財務長官&グリアUSTR代表が、中国の何副首相と1日目の協議を終了し、グリア氏のコメントで「初日の通商協議について極めて建設的だった」と出ている。ただ初日だということでまだ予断は許さないか? 基本的に11月1日までに合意できなければ最大155%関税を中国に課すとトランプは言っているが? まぁないか…。
そして最後の4つ目。日本の「信越化学工業」(4063)が先週の金曜日に決算発表をして、事前予測通り(関税の影響と中国の不況の影響)に奮わない決算となっている。PTSでは-2.14%。週末には3つ目の部分で進展報道があったことは、週明けの日経平均株価指数においてプラスに働きそうではあるが、同社の株価がどうなるか!? は市場センチメントを占ううえで非常に重要だと考えているので注視したい。ちなみに先々週の「安川電機」はそこそこ決算だったはずが株価は上にぶっ飛んだのは記憶に新しい。
また今週は、前稿でこうなったらもう逆らえないとお伝えしたように、米国の3指数「NYダウ」「S&P500」「ナスダック100」が史上最高値を更新した。
週末金曜日に関しては、最高値を越えた後に気持ちリカク売りが入ったようなチャートになったものの、史上最高値を更新した事実は、需給上の観点から買いだ! 筆者のようにヘッジポジションを持つ投資家はものすごくたくさんいそうで、その中での最高値更新のため、まだまだ上昇パワー(持続力)がありそうだと感じている。そもそもナスダック100などはEPS予想が上がったため、先週に史上最高値を更新しておいてPER予想が下がる(※テクニカルの項で後述)という事態になっており、この点においても過熱感がないことはプラス材料だろう。
少し気になることは最後に備忘録に記すが、今週は、2つ目の「マグニフィセントセブン」銘柄の決算で大コケ(※生成AIの投資を控えるようなガイダンス含む)がなければ、指数全体が上値を追いそうな気配だと感じている。
3つ目の米中首脳会談は、中国側がフェンタニルの対策や大豆の購入をすると発言するか、そうでなくてもトランプはこれまで通り、適当なところでお得意となっている〝問題の先送り(TACO)〟をするだろうと感じる。
ただ、筆者の目には現時点で魅力的な銘柄(※史上最高値で株式を買うのは控えたい)が見つかっていないため、今週に何かを買っていく考えはもっていない。決算をしっかり見ようかと考えている。
ここからは備忘録。先週の火曜日、高市首相は「今すぐ解散総選挙どうの言っている暇はない」と発言している。これは連立する「維新」が「議員数削減」を迫っており、これを先に実行しなくてはならない絡みで動けなくなっている可能性がある。よって年内の解散はない雰囲気だろうか。これは支持率が60%以上の高市自民党にとってマイナスだろうし、株式市場にとってもマイナスである。



