ドローンベンチャー「ACSL」(6232。東証グロース。東京都江戸川区)の鷲谷聡之元代表取締役(冒頭写真)が、実体のない不正な取引を通じて同社資金約1億5000万円を流出させていたことが発覚したのは今年7月14日、同社が設けた特別調査委員会の報告書が公表されたことからだった。
鷲谷氏はすでに4月、「一身上の都合」で辞任していたが、それは発覚が時間の問題と思ったからだろう。今後、民事はもちろん刑事の方でも責任を問わわれる可能性は十分あるだろう。
報告書によれば、3社と実態のないコンサルティング契約を結んで、前払いの名目で同社から支出させ、鷲谷氏個人の借金返済などに充てていた。それも、ギャンブルや女性への支払いとも言われ、これでは情状酌量の余地はないだろう。(右横写真=『ZAITEN』10月号)
だが、実は鷲谷氏、密かに別の上場企業の株を買い占め、今年6月にはその上場企業の社長に就任。そこで増資を行ったり、株価を上げるなどして、その益でACSLの1億5000万円を密かに穴埋めし、不正が発覚しないようにする計画を持っていたのではないかとの見方がある。
荒唐無稽というかも知れないが、実際に株を買い占めており、不正がまだ発覚しそうでなければ今年6月の定時株主総会でその買い占め会社の代表に就く気満々だったというのだ。



