アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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暗号資産事業参入の「イオレ」――新規経営陣の背後にあの訳あり人物

 求人広告プラットフォーム「HRアド」などを運営する「イオレ」(2334。東証グローム。東京都中央区)は今年3月26日、AIデータセンター事業と暗号資産金融事業への参入を検討すると取締役会で決議すると共に、新株式と新株予約権の発行を発表。
この増資は実施され、結果、「JAIC-Web3ファンド」が17・56%で筆頭株主になった。
その第三者割当増資の翌日には、「AIデータセンター事業に関するお知らせ」がIRされ、イオレは販売代理事業を開始するとして、「デジタルダイナミック」(東京都港区)なる会社と、先の増資資金の一部も使いGPUの販売をやって行くとした。
そして、5月14日には、代表取締役の異動と新たな役員人事のIRが出され、6月25日の定時株主総会決議を経て、現在、代表取締役には外部から瀧野諭吾氏(冒頭左写真)が就任。また、渡邊孝行氏ら新規役員も外部から入っている。
詳しくは後述するが、瀧野社長、渡邊取締役は、前述の増資引受をしたファンドの主な出資企業の関係者で、要するに、増資を背景に経営陣が変わったわけだ。
 イオレはさらに9月9日、すべて行使されれば160億円にもなる新株予約権発行をIR。その引受のかなりも、前述の4・1億円増資の際の主な出資企業が出しており、実質、そこが筆頭株主であることに変わりはない(*一部は長期保有が約束されていないということで、イオレは募集後の持株比率のところに入れていない)。
そして、このすべてが行使されれば実に160億円となる新株権の払い込み日は本日だが、この資金はすべてビットコインの購入に充当するという。
イオレの売上高は26年3月期約35億4900万円で、純利益は約5億円の赤字。過去5期で黒字は2期だけで、「継続前提に重要事象」。前の社長らは業績不振から逃げ出したといってもいいだろう。
むろん、この結果、新経営陣の元、今流行りのAIやビットコイン購入で業績が向上すれば問題はない。
しかし、瀧野新社長の、そして今回のイオレの立て続けの2回の増資引き受けの主要なファンドや企業の裏にいる人物の過去の経歴を振り返れば、本当に大丈夫かと思わずにいられないのだ。

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