畝本直美氏(63)は2024年7月、女性初となる検事総長に就任した。
ところが、旧安倍派が主な自民党議員85名にも及ぶ政治資金パーティー収入の裏金問題の件で、彼女は東京高検検事長という最高責任者として捜査を指揮していたが、結果として、全員を不起訴にした(その後、多くの国民はこれに納得せず、検察審査会への異議申し立てが続発。そして自民党の派閥解消、少数与党転落に通じる)。
また、こちらは彼女が検事総長就任後のことだが、袴田事件の袴田巌氏の再審無罪判決が言い渡され、2024年10月、検察が上訴を放棄した際、彼女は「異例の総長談話」を発表。その内容は、「到底承服できないものであり、控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容」などと批判するものだった(*つい2日前、袴田さん側は同談話は「名誉毀損」だとして、550万円の損害賠償と最高検HPへの謝罪広告掲載を求め静岡地裁に提訴)。
こうしたことを理由に、2人の国民が「検察官適格審査会」に畝本検事総長の罷免を求め提訴していた。
それは昨年12月3日のことで、大手メディアはまったく取り上げていないが、本紙ではそのことを昨年12月13日に報じていた。
その際も説明したことだが、法務省には検察官適格審査会なるものがある。
国会議員6名、最高裁判事1名、日弁連会長など計11名から構成されており、3年に一度、全検察官につき職務を執るに適しているか審査しているが、これとは別に、各検察官について随時審査を行う場合もあり、その申立ては国民なら誰でも出来る(*両氏の解説YouTubeはココをクリックすれば観れる)。
そこで、上記の理由などから、畝本氏は検事総長に適さないと、国民を代表し、秋山信孝、加藤弘吉両氏が申立てしたわけだ。
つい先日、その2人から、現状につき連絡があり、とんでもない状況になっていることが判明したので報じる。
昨年12月、申立したといったが、今年1月20日に返戻されていた。
そこで6月3日に再度、申立をしたという。
その際、前回申立は、適格審査会で審査する以前に、審査会窓口の庶務担当者から門前払いされた(*左横写真は、これを不服として、3月3日、審査をキチンとしろと求めた文書に対する法務省の「裁決書」)。
そのため、6月に再申立の際は、審査会庶務担当だけでなく、同気付けで、審査する前出11名にも個別にレターバックを送付したという。
ところが、6月10日に審査会はあったものの、秋山氏ら申立の件は審議から排除されていたことが判明。
そこで、秋山氏らは審査会庶務担当に事実関係を何度も問い合わせしたが一貫して回答拒否。そして7月22日、11名宛のレターパックは送り返されて来た。
そうした対応から、秋山氏らは、審査会庶務担当が「畝本検事総長の適格審査を議題から外すため、委員11人宛の書状(*レターパック)を受け取りながら、故意に隠し、処分した」と判断。8月21日、秋山氏らは「信書隠匿罪」(刑法第263条)で警視庁丸の内署に告訴(右横写真)。だが、これもすぐ「犯罪が確定していないので刑事告訴に馴染まない」旨で訴状は受け取ってもらえなかったという。
それでも秋山氏は、次なる手立てを考え、現在、その準備を進めているという。そのためには、賛同した方のネット署名の上積が重要とのこと。本紙もむろん賛同する。是非、署名、よろしくお願いします(*署名はココをクリックすれば出来る)。
「一般人からの申立による検察官適格審査も出来ると謳いながら、歪んだ行政権力により2度も不当に排除されました。
実はこの検察官適格審査、一般人からの申立で罷免されたケースはないどころか、そもそも審査に至ったケースさえ、この審査会は1948年に出来ていますが、たった1件しかない(2010年)。その際の署名は約1500人だったそうです。今回の申立ではすでにそれを大きく上回る約1万4000名の署名が集まっています。まだ諦めません」(秋山氏)



