アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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元「フライデー」名物記者・新藤厚(右翼)の続・貧困記 第16回「処暑」

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新藤厚 1951年生まれ(73歳)
1971年 週刊誌記者
79年~84年 テレビレポーター (テレビ朝日・TBS)
84年~99年 「フライデー」記者
99年~2008年 信州で民宿経営
2013年より生活保護開始(24年後半より脱出)

処暑を過ぎて、ようやく朝晩に涼風が吹くようになった更科の里である。
夏掛け一枚ではひんやりした冷気に目覚める深更もある。
気がつけば緑濃い田の稲穂もいつしか黄緑に変わり、みのりの色にたれてきた。早場米の収穫もはじまったようだ。
それにしても異常に暑い夏だった。加えてとどまることをしらない集中豪雨。
これからはこれがニューノーマルになるというのだから、寒心に堪えない。
つい数年前まであれほど聞こえていた「化石燃料を減らせ」の大合唱もいつの間にか断ち切れてしまったようだ。
すでに「気象正義」などという言葉も消えてしまった。
オールドメディアぐらい「正論」を吐きつづけてもらいたいが、新聞にも「温暖化対策」の文字を見なくなった。
彼らの変節を恥じないことは、戦中戦後の姿勢と全く変わっていない。
老人にはますます居心地の悪い、棲みづらい国となっていくようである。。

 

更科に引っ越すときに申し込んでいた近くの透析施設に空きができて、松代の農協病院から転院した。
これまでクルマで30分近くかかっていた通院が、10分に短縮された。
加齢による視力低下と視野狭窄で、危なっかしい運転をしている。
すでに高速道路は運転できない。トンネルも駄目である。
横断歩道に歩行者が待っていてもまず目に入らない。
交通量の少ない田舎道だから事故にはならないが、信号もときどき見落とす。注意力散漫も老化現象である。
冷静に判断すれば、運転免許返納の時期がきている。
だからクルマが駄目でも自転車で通える病院に移れて、ほっとした。
ただし、今度の透析センターは穿刺が痛いのである。
一部動脈と静脈をつないで、血流を増やした静脈に竹串の太さの針を刺す。
いままでの病院に比べて、それがひどく痛いのである。
看護婦の腕が悪いのかどうかは知らないが、通院が憂鬱になる一因である。
「透析鬱」のいちばんの原因である。

クルマも駄目なら徒歩も怪しい。いよいよ平地の歩行が困難となった。
スーパーと書店の店内でまた転倒した。
平らなところを10分も歩くと、両脚のシビレで何かにつかまらないと立っていられなくなる。
何かにつかまってじっとしていればいいのに、関東者はせっかちだから、必死でクルマに戻ろうと感覚のなくなった両脚をむりやり動かそうとする。そして崩れ落ちるようにひっくり返る。
横になると、今度はどうやっても立ち上がれない。
老化による病気と分かっていても、人前では恥ずかしいかぎりである。
「間欠性跛行」というのだから、10分もじっとしていれば自然に治ってまたふつうに歩けるのである。
とうとう音をあげて透析の病院にあった整形外科を受診した。
МRIの画像を見た外科医が感に堪えぬような顔をしていった。
「よくここまで我慢してきましたね」
脊柱管の輪切り画像を上から動かしていくと白く映る髄液のなか(脊柱管)に、神経の黒い点がある。
下に移動するとその白い空間が消えて真っ黒になる。
肥厚した靭帯に圧迫されて脊柱管が圧迫され、ほぼ消えているところが2カ所ある。
脊柱管狭窄の原因はただ「加齢」である。長生きが原因である。
まあ確かにこの年齢まで75年酷使した肉体なのである。ボロボロの老体なのである。
腎臓の異変が指摘されたのは40歳の頃で35年ほど前だったが、悲惨な腰痛で椎間板ヘルニアと診断され、三鷹の野村病院に半年も隔日通院して理学療法を受けたのは、30歳の頃である。
それからは数年おきに重症化する腰痛を身中で飼いならし、騙し騙しながらの生活だった。
まさしく宿痾である。
病歴はこちらの方がずっと長い。
間欠性跛行のままでは、老人の余生でいちばんの愉しみである散歩もままならない。
この3、4年はペインクリニックのブロック注射で胡麻化してきたが、最近はまったく効き目がなくなっていた。
完治するには手術で骨や靭帯を削って脊柱管をひろげ、神経の血流を戻すしか方法はない。
顕微鏡手術だから、むかしのように失敗して車椅子になるというリスクも極めて小さい。
そうと決まれば早い方がいいというのが、せっかちな関東者である。
で、明日入院して1日の震災記念日に手術とあいなった。
9日間ほど入院するので、その前に慌てて与太記事をでっち上げている老人なのであった。

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