7月の参院選挙で、自民党公認で比例区に立候補していた阿部恭久氏(右下写真。66)に投票する見返りに現金を払う約束をしていた公職選挙法違反(買収約束)容疑で、8月26日、警視庁などの合同捜査本部が、パチンコ店経営「デルパラ」(東京都港区)の社長・李昌範容疑者(冒頭写真。50。韓国籍)と同社従業員ら計6人を逮捕したのは大手マスコミ既報の通り。
阿部氏(落選)は、パチンコ業界が送り込んだ初の業界候補とされ、阿部氏自身、「サンキョー」(埼玉県川口市)というパチンコホール経営会社代表で、またパチンコホールの業界団体「全日本遊技事業協同組合連合会」の理事長を務めていた。
買収約束(1人3000~4000円)した相手は、デルパラの従業員など250人以上にも上り、前代未聞の大規模なものだという。
本紙がこの事件に注目するのは、奇しくも参院選挙期間(7月3~20日)中に2度に渡り、このデルパラが関わる疑惑につき報じていたからだ。
具体的には、本紙では7月5日と15日、「鹿児島の迎賓館『城山ホテル鹿児島』--鹿児島銀行支配下で数々の疑惑浮上」というタイトル記事を報じている。(右下写真は、桜島と錦江湾を一望できる高台にある城山ホテル)
鹿児島のホテル業界ではトップクラスの売り上げを誇る「城山観光」につき、メインバンクの鹿児島銀行支配下で数々の疑惑が浮上。その最大と言ってもいい疑惑が、鹿児島銀行側は創業一族(現在も城山観光の20%株主)に無断で、最大の稼ぎ頭だったパチンコ部門を子会社化。そして、その子会社「モリナガ」を今年1月、時価評価額63億円のところ、わずか23億円で他県の会社に売却。その売却先こそがデルパラで、現在、モリナガの代表も今回逮捕されたデルパラ代表の李昌範容疑者だ。
しかも、今回の買収予約容疑で、このモリナガにも鹿児島県警が家宅捜索に入っている模様。買収約束をした250人以上のなかには、デルパラのグループ会社となったモリナガの従業員も入っていると見られる。



