≪連載（441回目）≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー　今週の相場展望（８月25日～８月29日）

プロフィール　投資歴26年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、２に「需給」を読む力、３に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週金曜日の日経平均株価の終値は、４２,６３３円と前稿比－745円（※前項比＋1558→＋1020→　▲656→　＋1637→　＋249→　▲241→　▲348→　＋1748→　＋569→　＋92→　▲223→　＋805→　＋594→　＋251→　＋672→　＋1125→　＋976→　＋1144→　▲195→　▲3339→　▲557→　＋624　→＋166　→▲269→▲1621→　▲372→　＋362→　▲785→▲360→＋1481→▲739→▲705→＋193円（大納会））となった。

その夜PM23：00ジャクソンホールシンポジウムが始まると、早々にパウエル長官の原稿が出回ったのか、話を始める前から株価指数は突如暴騰を開始し、日経平均先物も４２,９２５円まで上昇して引けている。※2025年の最安値は4月7日（月）30,793円。2024年8月5日は31,156円のフラッシュクラッシュがあった。

ドル建て日経平均の終値は２８７.１ドル（※294.7→283.8→271→282.1→267.7→269.4→275.9→278.2→264.1→264→262→263.8→259→260→257.9→253.8→248.5→244→233.3→231.3→246.3→252→249.3→250→247.7→257.7→256.5→255.8→255.8→257.3→247→247.5→252.6→246.7（大納会））。こちらは今年の最高値は7月24日の287.3ドルが先週にあった。最安値は4月7日に211.2ドル。

NＹダウは、週間で＋686ドル高となる４５,６３２ドル（※前稿比＋770→＋587→▲1313→＋560→▲30→▲457→＋1010→＋1612→▲565→＋493→＋667→▲1052→＋1406→▲68→＋1203→＋972→▲1071→＋1898→▲3269→▲401→＋497→▲1314→▲1039→＋413→▲1,118→＋243→▲242→＋121→＋936→＋1550→▲794→＋151→▲259）。※最高値は2024年12月5日の45,074ドル。※4月7日に36,612ドルが直近最安値。

ナスダック100指数は２３,４９８Pと、前稿比－214P安（※前稿比＋101→＋848→▲509→＋207→＋284→▲86→＋333→＋908→▲5→▲131→＋421→＋425→▲512→▲1367→▲42→＋670→＋1175→▲702→＋1562→▲1,883→▲473→＋49→▲496→▲683→▲730→▲501→＋624→▲23→▲296→＋333→＋594→▲450→＋183→▲175）であった。※4月7日に16,542ドルが直近最安値。

先週の金曜日PM23:00のジャクソンホールシンポジウムで、パウエル議長は利下げ期待を高める発言をした結果、米国株は４指数ともに大きく上昇したが、日経平均株価は為替が円高になった影響もあり、43,000円を拒絶するかのような弱い値動きに終始して場を終えている。

これはドル建て日経平均株価でも同様だ。金曜の引け値は287.1ドルで、ＮＹ時間を終えて42,940円÷146.9円＝２９２.３ドルだったので、上昇率は＋1.18％。ドル建て日経平均株価指数でみても、米国の４指数と比べかなり劣後しているのだ。

直近などは、「米国株よりも、もう日本株のほうが強いんじゃないか！」と思わせる値動きが続いていたこともあり、この値動きにかなり違和感を覚えたのは筆者だけではないだろう。

さて、今週のストラテジーへと移りたい。
まず筆者は、今週もドテン買いには入らない。そして基本的には相場が下がる方向で考えている。
というのも、報道を見る限り「自民党臨時総裁選」の行方に暗雲が漂い、もう当初の想定通りに進んでいないように思えるからだ。さらには臨時総裁選が行われる際には、記名式での投票になる方向を石破政権は推し進めようとしており、こうなると「石破総理に退陣を迫ったのか」が【誰なのか！】がはっきりしてしまう。これでは石破総理が再選する可能性がけっこうある以上、造反することはできないだろう。
また、この記名式でいくか否か？　についても8月27日（水）「総裁選選挙管理委員会」で決定されるようである。ただ、いずれにせよ「自民党臨時総裁選」を行うか？　この方向性がはっきりするためには、執行部の参議院選の総括が終わらないとならないらしい。となると9月上旬が最短か！？

まぁ、とにかく「自民党臨時総裁選」が行われる流れになるならば、新総裁が選出されることは100％間違いないこととなるため、今週はこの報道に細心の注意を図りたい。またそうなった場合は、ここまでの日本株の爆騰について、じゅうぶん納得のいく説明となる。しかしもうじゅうぶんに織り込んでいるようにも思えるので、ここからさらに上がるかはわからないところ。

ただ現在、石破総理への不支層は、旧安倍派と麻生派、茂木派で合計120名足らず。過半数が172名であるため、いまのところどうなるのか趨勢がまったく見えない状況である。またそもそも新総裁が誕生すると、解散総選挙を行う可能性が高く、現在の自民党の支持率からして、それを望む議員も少なそうだ。筆者としても残念ではあるが、石破総理続投となるだろうか？　ただ次の選挙で負ければさすがにもうにっちもさっちもいかないだろうが。

そして世界的に考えると、今週の最大注目材料はなんといっても、世界最先端の半導体製造装置メーカー「ＮＶＤＡ」の決算発表であることに間違いないだろう。
ただ決算前にして、特に先週に目標株価引き上げが９社もあったようで、その結果市場関係者の9割までが、同社株への判断を買いとしており、目標株価のコンセンサスは194ドルとなってしまっている。ここまで読んで以下の画像をよく見てほしい。目標株価引き上げが直近９社あって、この株価の推移である。

この株が上に行きそうか？　それとも下に行きそうか？　あなたならどう考えるだろうか？

そして都合の悪いことに8月最終週は、欧米投資家にとっては、最も休暇を取るべきシーズンである。特にこの８月最終週は意地でも休みたいトレーダーが多いだろう。そうなると、出来高スカスカの中、「NVDA」の決算の結果に振り回されるように、どちらかに大きく揺れ動く可能性があると考えておいた方がよい。

そして日本株において不利なのは、先週の海外勢の投資行動である。なんと、先物の買い越しは1兆1861億円に達し、これは過去６年間で最大の数値だそうだ。その反面、個人の信用売り残は1兆1051億円となってなかなかみない数値だ。筆者調べでは、1兆1000億円台は、何年かに一回程度は見かけるものの、1兆2000億円台になったことは知らない。