広島県警捜査2課と福山東署は5月28日、一般社団法人「全国非破壊検査協会連合会」(東京都千代田区)の中村順子理事長(75)ら4人を詐欺容疑で逮捕した。
同団体は、経済産業省から全国の電柱の検査の委託事業を受けていると虚偽のことを告げ、電柱検査に係る権利金名目で現金を騙し取っていたと見られる。
今回逮捕容疑は、広島県内の社長から450万円を騙し取ったとされる1件だけだが、全国でかなりの余罪があると見られる。
本紙ではこの「電柱検査」詐欺、2024年9月、2度に渡り報じていた。 その騙取の手口だが、営業の際、すでに公益社団法人の「内定」を得ていると虚偽のことを告げたり、同法人の役員に亀井静香元金融担当大臣の名を勝手に登記するなどし、信用付けに利用していた。
もっとも、経済産業省の方に、営業を受けたり資金を出した者から問い合わせが多数寄せられていたようで、同省HPで2020年9月14日、23年7月21日と2度に渡り、委託などしていないとして注意を呼びかけていた。
そもそも電柱の検査は電力会社各社が行っているもの。また、公益法人の認可は全国組織の場合は内閣府が出すものだ。しかし、中村容疑者は経産省HPでの注意喚起に関して、「敵対的当事者」がデタラメをいっているとし、今後、その者を提訴することを匂わせた「お知らせ」を関係者に配ったりするなどしていた。
ところで、今回の逮捕者のなかには『週刊新潮』元記者もいた。
24年9月に報じた際、この元記者の関わりは判明していたが、あえて報じなかった。だが、今回逮捕を受けて関係者に当たったところ、他にも金銭にまつわる疑惑が多々あることも判明。また、公益法人化や亀井元大臣の件で中心的役割を果たしていたようなので、以下、報じることにした。