つい先日、大発会があったばかりというのに、もう市場ではハコモノ企業のTOBや自社株買い、仕掛け説が飛び交っていた。
その中で「ACSL」(6232。東証グロース)は当連載で昨年何度か取り上げ、実際に昨年末に大幅高したが、12月19日を天井に急落(冒頭写真)。元の株価に戻ってしまった。裏での取り決めの詳細は不明だが、株価が上昇したことで一部経営陣はとりあえず安堵したと思う。なお、急落した要因の一つは、某有料サイトの会員からの投げ売りとも噂されている。
トランプが米大統領に当選後、暗号資産が急騰しているが、関連銘柄も同様に大幅高した。それに便乗してか、ハコモノ企業は続々と暗号資産に関するIRを発表。数年前のコロナ流行時も、マスクや消毒関連のIRが続々だった。時流に便乗してIRを発表し、過去の増資分をさばくのは昔からだ。
さて、ハコモノ仕手株はこのような状況を利用しているが、新たなネタがいくつか入って来た。噂が本当だったら「インサイダー」、違っていたら「風説の流布」になり得る。また、バブル期を彷彿とさせる詐欺まがいの投資イベントも行われているようで、証券取引等監視委員会(SESC)、警察には行動を期待したい。当局の大物や事件性の高い案件以外は弁護士に相談してくれ、という態度は改めていただきたいものだ。