プロフィール 投資歴26年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。
≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週の週末金曜日の日経平均株価の終値は、39,190円と前稿比-705円(※前項比+193円(大納会))となった。
その後、週末に米国雇用統計がすごく良い数値で発表されると、利下げ観測がぶっ飛んだことを不安視して、日経平均先物は38,770円台まで大きく下がり、祝日の日本時間ではさらに下がって一時先物で38,130円を付けている。
またドル建て日経平均の終値は247.5ドル(※前稿252.6 →246.7(大納会))。
NYダウは、週間で-794ドル安となる41,938ドル(※前稿比+151→▲259)。※2024年12月5日の45,074ドルが本年最高値。
ナスダック100は20,847Pと、前稿比-450P安(※前稿比+183→▲175)だった。
新年1発目となる先週は、筆者の予想外となる「半導体株の一斉蜂起」があったため、非常に気分よく、オトソ気分でルンルン♪であったのだが、米国12月雇用統計が出て、すべてがぶっ飛んだ。
この先週金曜日のPM10:30の時間帯は、リアルタイムで市場をみていたが、まず筆者には、なんでこんなに急激に株式市場が下がりだすのか? これが理解できなかった。雇用統計は非常によい数値がサプライズで出たのである。しかし米国のアナリストは即座に、そしてみな一斉に、2025年度の米国利下げ予想を下方修正し、これで1月の利下げ確率は完全にゼロになる展開はわかるが、ここまで株式市場が動揺するとは!?
筆者としては、他の国が軒並み景気悪いなか、「米国だけ素晴らしくナイス」でいいんじゃないか、と感じていたのだが。ちなみに「今週の米国12月卸売物価PPI」(22:30)で、前年同期比+3%などの高い数値が出るなどした場合は、もはや利上げが意識される好景気ぶりなんだそうだ。いずれにせよ、こういう状況であれば、今週から始まる米国企業の決算発表は、ほぼ大丈夫なのであろう。
そして、先週の雇用統計の発表らへんから、明らかに株式市場にマイナスに寄与したのは米国の【長期国債金利】である。米国30年債利回りは、なんと2023年11月以来の5%台に一時突入したとのことだ。
というか、雇用統計ではなく、この長期金利の高騰が、現在の大暴落を生んだだけのような気もしている。
基本的に、現状の見立てとしては、トランプ大統領誕生前の株式市場の最後の調整だと感じているが、基本的に、この米国長期債の金利が上がり続ける展開で、株式を買っても100%報われないことも歴史が証明している。よって今週のストラテジーとしては、 「米国10年債」を睨んで、4.6%を下回るまでは投資をお休みすべきとしたい。
さて、今週のストラテジーの細かい部分の確認に移りたい。
ドル建て日経平均の金曜日の終値は247.5ドルであるが、祝日の13日PM22:00現在、日経平均先物は38,250円程度でドル円は157円であるので、ドル建て日経平均株価は243.6ドルである。この数字は200日移動平均線(253.7ドル)も下抜けているし、チャート上の節目(245ドル)を下回ってしまい、急落の危険がある水準だと考えている。
ここを明確に下回るならば、次は8月5日の地獄の217.2ドルまで節目がない状況に見えるのだ。よって筆者は、週明けにこのラインを下回っていた場合は、日経平均先物の売り玉を持ち対応することとする。
ただ逆に、現在の混乱は高確率でトランプ大統領誕生前の一時的な混乱である可能性が高いとも考えている。
「カナダを51個目の州に編入する」や「グリーンランドを購入する」発言を始め、大統領就任時には100個の大統領令を出すと噂されている男の、大統領誕生の日が刻々と近づいているのだ。しかし、ただの目立ちたがり屋にしても、米国を混乱させるなよと切に願いたいものだが。
また逆に、日本株に関しては、昨年の12月1週目からやけに海外勢の買い越しが目に付く。現物、先物合計で12月だけで1兆5387億円の買い越しであり、ここまで大量に買うとなると、この後の展開に期待しないわけにはいかないだろう。※ただ株式の新規買いは、米国10年債利回りが4.6%を下回ってきてからとしたい。