アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

「クシム」“乗っ取り”の黒幕とされる者は、わが国重要蓄電システム開発会社を傘下に収めていた!

本紙の「兜町アンダーワールド」においても2度取り上げているように、現在、「クシム」(2345。東証スタンダード)経営陣側と、田原弘貴クシム取締役側とで内紛となり、大塚和誠弁護士が田原氏側につき(ただし大塚氏は2年の業務停止となり、同氏が所属するOMM法律事務所の別の者が担当)、来年1月開催予定のクシムの定時株主総会に向け、経営争奪戦になっている。
クシム経営陣側は、田原氏の背後には中国人(ただし日本国籍取得済)の黒幕がいて、違法なウルフパック方式で経営権を奪取しようとしている可能性があると。その最大の狙いは、クシム傘下の暗号資産取引所「Zaif(ザイフ)」を使い、中国本土からビットコインを持ち込むマネロン疑惑があり、それはわが国の経済安保上のリスクにも繋がり得ると指摘している。
これに対し、田原氏はまったくのデタラメだし、クスム経営陣側こそ、元電話機担保金融「シークエッジグループ」の影響下にあり、そちらの利益を優先し、結果、クシムの企業価値・株主利益が毀損されているという。
現状、本紙はどちらの言い分が正しいかよくわからない。
ただし、クシム経営陣側が田原氏の黒幕と指摘するのは「RSTechnologies」(3445。東証プライム。東京都品川区)の方永義社長のことだが、本紙では過去、わが国経済安保上からも重要と思われ、公的資金も投じられた蓄電システム開発会社が中国系企業に乗っ取られそうになっているという記事を報じていることを思い出し、その後、どうなったか確認したところ、実際に、このRSTechnologiesの傘下になっていたことを確認したので、その記事を再度紹介する。
それは、2023年9月24日に報じた「再生可能エネ蓄電システム開発会社を、中国系企業が乗っ取り計画!?」というタイトル記事。慎重を期して同社の名前は報じていない。だが、この記事は傘下に収められることになった「LEシステム」(福岡県久留米市)の株主側からの告発によるもので、その文書にはRSTechnologiesの名前がシッカリ書かれているし、本紙はその際に同社の帝国データを取っている。
今回、この記事を書くに当たって確認すると、このLEシステムは記事配信(23年9月)ほどない翌24年3月に解散。解散前の23年12月に吸収分割により、分割会社であるLEシステムの事業を継承。しかも旧LEシステムの債務の大半は継承されず、同名の「LEシステム」が出来ていたことがわかった(会社設立は23年10月。RSTechnologiesと同住所)。そして、その社長には方永義氏が(横写真は同社の法人登記)。
もっとも、これだけでは、読者のなかには、このグローバル時代に、傘下に収めたのが中国系企業だというだけで批判するのは差別だとの指摘もあろう。確かに、ただの中国系企業ならその通りだろう。だが、この方社長のことを調べると、中国には約1300万もの企業があるとされるが、その内約2%の国有企業(約30万社)のなかでも、さらに中国政府中央直轄のたった98社のなかの半導体素材企業の子会社オーナーの地位にあるとなれば、話は違って来るのではないだろうか。
なお、田原氏は1月の定時株主総会で、クシム新取締役候補の1人として方氏の名を上げているが、方氏はクシム経営陣側のデタラメな主張に嫌気がさしたとして候補を辞退している。

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