アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

「船井電機」株1円売却絡みで、ファンド会社社長が古寺氏らを刑事告訴へ

 事が事だけに、捜査の支障になってもいけないと思い報道を控えていたが、12月23日(月)発売の『週刊現代』は「事情通」欄に、船井電機社長を上田智一氏が退いた後、その親会社「船井電機・ホールディングス」(現「FUNAI GROUP」)の代表になっている古寺誠一朗氏を刑事告訴する方針との内容が載っているので、報道解禁と理解し、告訴内容につき詳細を報じることにした。
週刊現代記事によれば、告訴人は、船井電機をたった1円で買ったとされるファンド会社の社長・福井啓介氏という。
どういうことか?
大手マスコミなどでは、上田氏が船井電機を1円で売った先は福井氏が代表の「EFI株式ファンド」(東京都中央区)というファンド会社と報じている(実際は社名に「ファンド」の文字があるだけで、ファンドではない。ファンドを組成する免許も持っていない)。
ただし、本紙既報のように、実際にはこの買収を仲介した会社に手数料6億円を払うことになっていた。
 だが、払えず、船井電機、その親会社の船井電機・ホールディングスの株を持つ「ミュゼ・ホールディングス」(現「スターゲート」の全株式は、ほどなく、EFI株式ファンドから、古寺氏の弟の妻が代表を務める「利回市場」(東京都中央区)なる会社に1円で売却されていたのだ。
古寺氏はEFI株式ファンドの福井代表に1円買収の話を持ちかけた際、仲介手数料6億円は自分が調達するといい、福井氏から実印など取り上げ、その実態はEFI株式ファンドのオーナーだった。だが、現実には3300万円しか用意できず、ほどなくミュゼ・ホールディングスの株式は前述のように「利回市場」へ。
仲介手数料6億円のほとんどをもらい損ねたにも拘わらず、仲介会社はその場合、別の会社に1円で売ることが出来るとの契約内容の実行先が古寺氏の弟の妻が代表の会社ということは、当初から古寺氏と仲介会社は組んでいた可能性もある。
さらにいえば、その仲介会社は、上田氏の指南役で、船井電機とミュゼ・ホールディングスの前取締役だった中村肇公認会計士の指名で、上田氏はここに買収先を頼んでいたことを思えば、上田氏は被害者づらしているが、実際は組んでいた可能性もないわけではない。
福井氏を古寺氏が引き込んだのは、福井氏が「東芝」、協力することになっていた福井氏の仲間は別の大手電気会社の元代表取締役専務だったことから、その信用でカネを引けると思ったからではないか?
で、ともかく自分の会社をハコに使われ、散々利用された福井氏が告訴した案件は2つある。以下、その解説。

この続きを読むには有料購読の登録が必要です。

関連キーワード
検索

カテゴリ一覧