本紙では5月15日、5月24日と2度に渡り、「SGホールディングス」(9143。東証プライム。京都市南区)の中核、わが国企業において宅配便事業2位、国内シェア約3割の「佐川急便」のドライバーによる電報の架空発注トラブルの件を報じた。
佐川急便は2014年7月から電報事業も行っている。
そうしたところ、荷物の配送は毎日のように頼んでいるが、電報は頼んだことがないという顧客の銀行口座から、配送分だけでなく、電報分も自動引き落としされていたケースが発覚し、被害者が本紙に告発して来たからだ。
佐川急便は、被害者に対し、当初、担当ドライバーの「誤発注」と説明していた。
だが、誤発注の件数は約1年半で実に108件。
しかも、同じ担当ドライバーが受け持つ同一の女性が電報を頼んでいるのだが、この女性は佐川急便お客様コード(顧客コード)を取得していないので、支払いを別人口座に請求することが物理的にあり得ないというのが被害者の見解。そのため、佐川急便に不信感を抱き、本紙に告発して来たのだった。
にも拘わらず、誤発注と佐川急便が言うのは、担当ドライバーは二重請求(この担当ドライバーは、電報を出した女性からはその都度、現金を受け取っていた模様)し、現金でもらった分は着服していたと見られる。だが、そんなことで(?)いちいちドライバーを首にしていてはドライバー不足もあることから、事を大げさにしたくなく、誤発注と矮小化しているのでないかとの疑惑を持ち、本紙は取材申込を行った。
結論をいえば、冒頭に抱げた文書のように、6月10日、佐川急便本社はこの担当ドライバーが故意に架空請求をしたことを認め、謝罪した。(*昨6月14日に本紙YouTube版でも配信。ここをクリックすれば観れます。無料。なお、そのなかで担当ドライバー携帯のPCで電報を出すと解説しているが、それは顧客携帯ないしPCの誤りです。訂正します)
だが、当初、なぜ物理的にあり得ない誤発注と言い張っていたのか(有料記事部分に、担当営業所が出していた、誤発注を原因とする謝罪文を掲載)の説明は一切ない。
また、冒頭の佐川急便本社の出した謝罪文には、「河野様のご自宅を訪問された際の対応について、当該従業員及び河野様の供述のみを聞いて、当該従業員の上司が軽率な発言を行ったことについてもお詫び」とあるが、これは、佐川急便に不信感を持った被害者が自分で真相を解明しようと、前出の108件の電報を出した女性の自宅を訪問。その際、架空請求していたドライバーの上司は、被害者が「佐川急便の名を名乗ったから、女性はドアを開けた」と言っているとして、被害者が佐川急便の人間と騙り勝手に調査をしたと「いいがかりをつけた」ことによる(*被害者は女性宅訪問時、録音しており、本紙は被害者が騙してドアを開けさせていないことを確認している)。
さらに、故意の架空請求は明らかに犯罪だが、ドライバーの処分、刑事告訴の件に関しても未だ明確な説明はまったくない。
そのため、被害者は謝罪こそあったものの、未だ納得できないという。