やはり、書いてナンボである。
昔、立花隆が田中金脈問題を暴いて田中角栄首相退陣のきっかけを作ったところ、全国紙記者は「そんなこと知っていた」というが、報じないのは知らないことと同じだ。
本紙で、千代田区議の汚職事件につき報じたところ、早速、情報が飛び込んで来た。
この汚職事件、東京の嶋崎秀彦千代田区議が、区職員から区の入札情報を聞き出し、癒着した業者に教え謝礼をもらっていたというもので、職員も逮捕されたが、事情を聞かれていたその部下が自殺していたという。要するに、逮捕容疑は氷山の一角で、しかも区側はもっと上まで癒着し、逮捕された職員に漏らすように指示していたようなのだ。しかも、自殺した職員は極めて真面目だったことから、漏洩を悔やんで自殺した可能性があるという。
森友問題で、隠ぺいを図るために財務省の上が公文書改ざんを指示、その結果、自殺したと思われる近畿財務局職員の赤木俊夫さんと同じ構造というわけだ。
大手マスコミは、この汚職事件のことは報じているが、自殺の件は報じていない。
本紙が知る限り、報じているのは、2月20日発売の『FACTA』(冒頭写真上記事)と、2月27日発売の『週刊新潮』での小池百合子都知事のことを取り上げた1頁弱の記事(冒頭写真下記事)のなかで。どちらもごくわずか。新潮記事の該当部分を引用する。
「千代田区が舞台の官製談合事件に関して、都民ファ副代表を務める樋口高顕千代田区長(横写真)が苦境に立たされているからだ。
『事件に関与したとされる区職員が自殺し、とある告発文書が区議会に出回った。そこには<談合発覚による議会との関係悪化を恐れ、最高責任者である樋口区長は副区長らと共にA氏の変死を組織的に隠ぺいした>という趣旨が書かれていた。これが本当なら、区長は批判を免れませんし、都民ファ特別顧問の小池氏も監督責任を問われかねません」。
この事件の奥深さが察せられるだろう。
しかも、この樋口区長の父親は、元警視総監の樋口建史氏である。
本紙は、この新潮記事紹介の「告発文書」を入手しているので、一部氏名だけ伏せ、全文を以下に紹介する。
言っておくが、この文書はいわゆる怪文書の類ではない。
新潮記事では区議会に出回ったと書かれているが、宛先は千代田区議会議員、在京マスコミ各社と共に、千代田区行政監察員に出されている。公益通報制度に基づく通報なのだ。