アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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上場廃止決定の「アルデプロ」――5年以上前、事件屋に経営権を渡すつもりだった秋元創業者兼オーナー

 収益ビルやマンションなどを主に地上げし転売する「アルデプロ」(8925。東証スタンダード。東京都新宿区)が、4月23日を持って上場廃止になることが決まったことは本紙でも既報の通り。
その理由のなかには、筆頭株主が経営に口を出し、しかもダミー会社に転売したものを売上計上し業績をよく見せるなどの不正もあったことから、東証は筆頭株主が関与する取引の透明性の確保、経営陣の刷新を求めたが、同社はそれを拒否したのだから、自ら上場廃止を決めたようなものだ。本紙は以前からその疑惑を指摘し、3月3日にはその総論的記事も報じていた
その大株主(40・5%)とは、創業者で長年社長だった秋元竜弥氏(冒頭写真)のことだが、実はすでに約5年半前に、秋元氏は同社の経営権を譲渡しようとしたことがあった(未遂)ことが関係者の話などからわかった。しかも、その譲渡予定先の裏には、本紙でも何度も登場している事件屋といってもいい人物がいた。
本紙では2019年段階で、秋元氏が代表の資産管理会社「ドラゴンパワー」(熱海市)がアルデプロに出資していた約78億円の大半を回収済だったことを報じた、タイトルに「いよいよ遁走の準備か」と付けた記事を報じていた。そうした事実を思えば、前述のように、今回、アルデプロが上場廃止になることは、実質、秋元氏が決断したことなのだからまったく驚くに値しない。
それに、今回本紙が得た情報では、秋元氏がアルデプロの経営権を譲渡しようとしたのは2018年10月のことで、前述の約78億円の資金回収の時期と符合するのだ。
2018年10月1日、アルデプロは経営陣を刷新。
 椎塚裕一代表取締役社長(横右写真)を取締役COOに降格し、旧三和銀行、旧メリルリン証券などにいた塚本宏樹氏(横左写真)を外部から招いて代表取締役社長に就けた。
また、取締役CIOにはPWCやデロイトにいた芳野剛史氏、野村証券出身の佐藤憲治氏を取締役CFOに。社長だった椎塚氏は4番手になった。
秋元氏は自分が社長を辞めた2016年3月以降、イエスマンの司法書士、椎塚氏を社長にしていた。ところが、この新人事からわずか5カ月ほどで塚本氏らは一身上の都合で同社を去り、再び、椎塚氏が社長に戻り、今日まで続いている。
何があったというのか?

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