アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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オーナーが改修工事中止出しても無視でトラブル続出――新興ホテルグループ経営会社の呆れた実態

「リオ・ホテルズ」(東京都千代田区)という純粋持株会社がある。
傘下に「リオ・ホテルズ北海道」など6社を持ち、設立は2020年2月とまだ4年ながら、すでに全国で27のホテルを運営しており、その売上高は約32億円(22年12月期)。
詳細は後述するが、ホテル事業は一部で、その親会社「リオ・ホールディングス」(リオ・ホテルズと同住所)は不動産ソリューション事業などを手がけており、同グループ売上高は約263億円、純利益約1億4000万円(同)で上場準備を進めているという。
そのリオ・ホテルズ傘下のホテル「プリンセスガーデンホテル栄」(名古屋市中区)で警察や消防まで出動する異臭騒動があったのは昨年12月19日のことだった。
「ホテルは昨年7月から改修工事を行っています。このホテルのオーナー(所有者)は別におり、長年、そのオーナーが経営していたんですが、数年前から、リオ側が経営を委託され、改修工事もリオ側が指定した業者が行っています。
改修工事期間中は騒音、振動などの影響で売上が落ちるので、前のオーナーの時は家賃減額の話もあったのですが、リオ側に変わってからは“まったく応じられない”とのこと。それだけでなく、工事の作業員が平気で汚れた格好で裏口からでなく表通路から機材など運ぶ、エントランスを封鎖する、足場を組んだ際に歩道側から店が見えづらくなったがこちらが指摘するまで店がわかる掲示板を出してくれない、クレーンで部材を上げ下げしたり、コンクリートに穴を開ける日はひどい騒音、振動で営業にならない(防音シーツも貼らない)など、まったくホテル内のテナントへの気遣いがない有様でした」(テナント関係者)
そこに持って来て、塗装工事によるひどい異臭でテナント飲食店の従業員が体調不良になり、通報する事態に。
ここに至り、ついにホテルオーナーも看過できなくなり、12月21日に改修工事の中止命令をリオ側に出している。
ところが、この2月15日現在も改修工事は続いている。
それどころか、実は中止命令後の今年1月4日、酸欠でテナント従業員がまた体調不良になる事件が起きていたのだ。
「実は工事に伴うためか、ホテル内の空調を勝手に止め、それを通知してなかったのです。そのため、営業していたうちのテナントの飲食店厨房で働いていた従業員が気分が悪くなった。厨房では火を使いますから酸欠になり易い。ヘタをしたら死亡だってあり得ることですよ!」(そのテナント会社社長)
それ故、この社長、工事中止がどうなっているんだと、ホテルオーナーに強く訴えたことはいうまでもない。
当初は、これら様々な事実、しかし、いくらなんでもあり得ないと思っていたオーナーだが、実際にテナント側と面談し訴えを聞くなか、ついに認識を改め、2月8日、工事中断を含め、この間の事情につき、全テナントが参加し、前出の親会社リオ・ホールディングス代表で、リオ・ホテルズ取締役でもある中川智博氏が出席して説明する合同説明会をするとテナント側に約束。
ところが、通知されているのに、未だにリオ側からは返事がなく、いつ開催できるか目処が立っていないという。

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