ともかく、まずは冒頭に掲げた写真をご覧いただきたい。
「東栄住宅」(東京都西東京市)は熊本市内で昨年10月から新築工事を行っているが、その造成工事で出た泥ぼこりで、真裏の会社敷地内に駐車していた販売用高級車3台の車体塗装などに不具合が出たとして、そのA社と東栄住宅側は、A社において話し合いを持った。
その際、冒頭右写真の左側の黄色マーカーの2つのイスに東栄住宅社員2人が座り、右側の赤色マーカーのイスにA社社長が座った。
そして、この右写真上の四角い黄色マーカー囲みを拡大したのが冒頭左側写真。見ればわかるように、2丁のモデルガンを展示したものだ。A社社長によれば、知り合いからプレゼントされ飾っているという。
ところが、有料記事部分に転載するが、こんなものが、東栄住宅の手にかかれば本物の拳銃に化ける。
東栄住宅は泥ぼこりと車の不具合に因果関係はないので支払い義務はないとして話し合いを拒否し、弁護士に投げた。そして、その代理人弁護士からA社に2月8日付けで「通知書」が届いた。そこには、こう書かれていた。
「通知人の従業員が貴社らの事務所に訪問した際には、損害賠償請求されるとともにテーブル上に拳銃2丁が通知人の従業員に見えるように置かれていたと聞いております。通知人としては、従業員に対する、危害が及ぶことを大変懸念しており、このような通知人の懸念を背景として、貴社らが過大な請求を継続されるのであれば、警察等に相談したうえで、必要な手続を取る意向があることを申し添えます」
A社社長は反社会勢力ではないし、むろん、A社が暴力団事務所を兼ねているわけでもない。
今日日、拳銃所持だけでも実刑が固い。しかも2丁だ。
というか、これを見ただけで拳銃と思うこと自体、おかしな話だし、「聞いております」の伝聞で拳銃らしきものの表現どころか、拳銃と決めつけ、「警察等に相談」という代理人弁護士もどうかしている。
これでは、たまたまモデルガンを飾っていたことをこれ幸いに、難癖を付けているとしか思えず、それこそ反社会勢力のお手のものではないか!?
ところが、この東栄住宅は戸建て分譲住宅のガリバー「飯田グループホールディングス」(3291。東証プライム。東京都武蔵野市)の主要子会社なのだから驚きだ。飯田グループは、市川團十郎のTVCM(横写真)でお馴染みでは。
東栄住宅自身、かつては単独で東証2部に上場していたが、2013年、「飯田産業」「一建設」「タクトホーム」など同様のパワービルダー6社が統合して出来たのが飯田グループ。23年3月期の売上高は実に約1兆4400億円、純利益は約756億円。
しかし、A社社長に聞くと、おかしいのはこの拳銃の件だけではないという。