アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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政府、今国会に「共同親権」導入の民法改正案提出方針

 わが国以外のG7はすべて、世界全体でも離婚後の「共同親権」が大勢のなか、わが国も「共同親権」が導入されそうだ。
本紙ではこの親権問題につき連載をやり、最後に報じた2023年5月17日記事では、法務省の法制審議会(法相の諮問機関)が専門の部会を設け、21年2月、「共同親権」につき初めて検討課題とし、紆余曲折あったものの、23年4月、共同親権制度導入を前提に議論して行くことに合意したと報じていた。
世界的には、例え父母が離婚しても、「子の利益のため」父母は協力する義務(監護、養育費など)があり、また、基本的に子どもは父母どちらとも交流することがベターとされている。だが、わが国においては、家庭内暴力(DV)や児童虐待被害が増えることが懸念されるとの声が根強く、3年前までは、共同親権制度導入は検討さえされていなかった。
だが、1月30日、法制審議会は離婚後の共同親権も認めることを可能とする民法改正の要綱案をまとめ、採決したところ、委員21人中18人が賛成。よって、2月に予定される法制審の総会を経て法相に答申され、政府は今通常国会に改正案を提出する方針という。
要綱案に沿った法改正が行われると、父母は離婚の際に共同親権か単独親権か選ぶことが出来る。どちらか合意できない場合は、家庭裁判所が子の利益のためにどちらか決めるが、その際、DVや児童虐待などにつきキチンと判断できるか、との懸念は今回の要綱案について大きい。
委員3人が反対したのもこの点で、また、異例の付帯決議が付いたのも、この点の防止取り組みの必要性などを盛り込んだ結果だ。
また、弁護士有志423人は、特に父母非合意で家裁が認めた共同親権は子へのリスクが高いとして、今回の要綱案に反対する申し入れ書を法務省に提出。司法書士約2000人が参加する「全国青年司法書士協議会」も反対を表明したという。
とはいえ、要綱案はまず「親権の有無に関係なく、父母には子の人格を尊重して養育し、子の利益のために協力する義務がある」と明記しており、これをキチっと実行させ、家裁の能力も上げる枠組みが出来るなら離婚後共同親権の道を開くことは子の利益に適うわけで、まずは改正した上で、どう取り組んで行くかということではないか。

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