アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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「郷鉄工所」資金調達キーマンに10億円借金踏み倒しの過去

 まずは、冒頭に掲げた「公正証書」をご覧いただきたい。
本紙既報のように、資金繰りが厳しい「郷鉄工所」(6397。東証2部)が、その調達を頼んでいる松尾隆氏が債務者、そして債権者は「ジャパンベンチャービジネス」(東京都中央区)。その借金額は元本だけで10億2135万円にもなる。
この公正証書、07年10月9日に結ばれたもので、同年中に一括返済するとの内容だったが実行されず、それから実に9年以上の歳月が流れたいま現在まで、ただの一銭も返済されていないという。
この公正証書、ジャパンベンチャービジネスの渡邊俊輔代表が本紙に告発して来て、提供してくれた。
実は渡邊氏自身、後述するように他からの借金のやりくりで用立てたものだから、この間、その債務に追われ、そのストレス、また、ただの一銭すら返済せず、逃げまどう松尾氏への恨みつらみも重なり、心労で食事が喉を通らなくなり、現在、やせこけ入院を余儀なくされている。もう長くないのでは、と漏らす知人もいるほど。
「たまたま今年に入り喫茶店で松尾氏にばったり出くわし返済を迫ると、他人のせいにして、“そちらの取り立てに何故行かない!?”と自分は何ら悪くないような口ぶり。どういう神経、頭の構造をしているのか!? 何とかこの事実を、私が死ぬ前に書いてもらいたくて……。このままでは、死んでも死にきれません」(渡邊氏)
本紙の取材に対し、松尾氏はこの公正証書の存在は認めた。だが、もう時効だと平然と言い放った。
これに対し、渡邊氏は返済の連絡を最近も入れており、時効は来てないという。
だが、その正否はどうあれ、10億円以上ものカネを10年近くに渡りただの一銭も返さず平然としていられるとは、やはり尋常ではないだろう(本紙では、両者の言い分の正否を判断するため、2人への同時取材を提案したが、松尾氏はそれを断った)。
まして、そんな者が資金調達を手伝っている事実を知れば、郷鉄工側も心中おだやかではないのではないか。
何しろ、この渡邊氏への10億円の借金も、そもそも別の上場企業「昭和ゴム」(現「昭和ホールディングス」5103。東証2部)の増資引き受けが深く関係していたのだから。

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