本紙は、債務超過で経営危機の「郷鉄工所」(6397。東証2部。岐阜県垂井町)に関してこれまで7回報じている。(冒頭写真=郷鉄工所株価チャート)
同社が何とかこの危機を打開しようと動くのは当然だし、多くの従業員、株主などのことを考えれば何とか脱して欲しいと思う。
だが、その組んだ相手が松尾隆氏で、本当に大丈夫なのかとの疑問からのことだ。
連載7回目では、その松尾氏は、やはり資金難に陥った「セイクレスト」につきお助けマンとして登場したが、同社は上場廃止になったばかりか、社長も松尾氏も逮捕された事実を明らかにした。
松尾氏は増資引受先を捜しており、それが実現するまでは借入金(10月11日に新たに計5160万円とIR。短期借入金は今年4月から5億7500万円増の計19億5500万円に)、融通手形発行で凌ごうとの戦略のようだが、彼のルートで本当に増資が実現するのか疑問で、その間を借入金、融通手形で凌ごうとするのは、よくない筋が高額の手数料稼ぎのために登場し、逆に傷口を広げるだけの結果になるのではないかと、それに関する動きや事実を報じて来た。
連載5回目では、増資を検討するも、一旦断念した事実を述べた。
だが、ここに来て、また松尾氏が増資に動く一方、いまも田中桂一専務と共に金策に走り回っているとの情報を得たので追加報道する。
10月11日、郷鉄工所は「業績予想の修正に関するお知らせ」を出したが、そのなかでも、下方修正になった理由の一つとしてこう記されている。
「運転資金の借入にかかる調達の一部を仲介業者に委託しているために借入コストの増加を招き、これに伴い業務委託費が当初見込みより増加(増加費用約3000万円)した結果、営業利益が減少することとなりました」