「全日本不動産協会」(東京都千代田区)は、1952年6月、「宅地建物取引業法」が公布されたのを機に、同年10月に設立された。
宅地建物取引業に従事、また従事しようとする者に対する研修、講習や指導を行うだけでなく、わが国内外の不動産に関する調査や研修も行っている中小不動産業者の正会員約3万5000社を擁する全国組織の公益財団法人。
しかも、同協会を母体に、1978年、「全国不動産政治連盟」が創設され、自民党の「全日本不動産政策推進議員連盟」(野田聖子会長。国会議員251名が会員)、また国土交通省とも連携し、わが国の不動産行政にも影響力を及ぼす公的団体といえる。
その全日本不動産協会の定時総会が6月30日に開催され、役員の改選を行い、代表理事に中村裕昌氏(冒頭写真)が選出された。
こうした業界団体故、総本部の理事になるには宅地建物取引士の資格がいる。
ところが、ここに来て、中村代表理事につき宅地建物取引士証(宅建士証)不正取得疑惑が出ている。
中村氏も不動産会社を経営しており、宅建の資格を持っている。
疑惑とは、その宅建士証の更新を不正に行ったという内容だ。