アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

「エステ脱毛」トラブル急増の裏側――悪徳輸入業者の存在(上)

 6月21日、大阪府警は、無資格で脱毛を行い、女性客にやけどをさせたとして、医師法違反と業務上過失致傷容疑で、大阪市西区で美容サロンを経営する女性(24)と従業員女性(同)の2人を書類送検した。
2人は昨年8月、20代女性に脱毛の施術をしたが、その際、余分な出力を抑える「減光フィルター」装置を付け忘れ、結果的に「医療行為」に匹敵する照射をし、そのため、施術から10カ月経つ今も、女性客の背中には痕が残ったままという。
この大手マスコミの報道をまとめると、脱毛には「医療脱毛」と「脱毛エステ」の2種類あり、前者はレーザーなどで毛根などの組織を破壊して毛を生えないように、後者は細胞を破壊しない程度の光を当てて毛の成長を一時的に抑制するもの(こちらは医師免許はいらない)。ところが、今回書類送検されたケースでは、「減光フィルター」を付け忘れ、しかも女性客にやけどさせたことから、不幸にも事件化してしまったようにも思える報道内容になっている。
だが、本紙に告発情報を寄せてくれた美容業界に精通するA氏によれば、これは正確ではないという。
詳細はこの連載の後半で述べるが、脱毛に用いる皮膚下の細胞に影響を与える脱毛機器は、すべて「医療用」であり、医師免許がいるという。
では、なぜ、「医療脱毛」「脱毛エステ」の2種類が存在するかのような見解が、大手マスコミでも報じられるのか?
「一つには、悪徳業者の存在が大きいと思います。
中国製の脱毛機器を“密輸”して儲けている悪徳業者がいるんです。むろん、それは医療用で、したがって医師免許がないと使えません。ところが、昨今の脱毛ブームに便乗し、問題ないとエステや美容サロンに売り込んでいるんです。今回、書類送検された美容サロンも、以前はネイルサロンだったのが、20年12月以降、脱毛メニューを導入していました。今回事件化して、サロン側は”医師免許がいるとは知らなかった”と供述していますが、本当だと思います」(前出A氏。以下、カッコ内同)
そして、悪徳業者の実例を上げる。

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