「かぼちゃの馬車」とは、女性専用シェアハウスのことで、不動産投資としてお得とサブリース会社「スマートデイズ」(破産)が家賃保証、高利回り、そして融資先(スルガ銀行)まで紹介し、その女性専用シェアハウス物件を買わせたものの、家賃振り込みはほどなく止まり多くの投資家は大損した――2018年ごろに表面化し、世を騒がせたが、これと似たような事案が出て来ている。
こちらは一般中古マンションだが、そのサブリースをしているのは「BLAZE」(ブレイズ。東京都渋谷区)。既報道では、すでにグループを解消しているというが、このBLAZEがサブリースする一般中古マンションは不動産会社「INFINITY」(東京都渋谷区。今年1月に「CAPITAL」に社名変更するまで「ReVie」=レヴィ。CAPITALからわずか2カ月ほどで、さらに現社名に)が所有していたもので、ブレイズは、そもそもレヴィを創業、社長だった植西剛士氏の100%出資により設立され、初代社長はレヴィ社員で、現社長の松浦光輝氏は植西氏の友人。なお、植西氏は今年3月9日にレヴィの代表も取締役も辞めている。レヴィは約3年で売上総額約200億円、約1000戸販売。上場を謳っていたとも。
そして、かぼちゃの馬車の時のスルガ銀行に対し、こちらは「オリックス銀行」が購入者のローン提携先になっていた。
かぼちゃの馬車の黒幕は、すでに70歳近い海千山千の佐藤太治氏だったが、今回は黒幕はおらず、レヴィの方の社長だった植西氏(下左写真は現在の六本木3丁目の自宅)が首謀者と見られる。(下右写真=「日経」今年3月7日記事)
その植西氏は、冒頭「運転免許証」のようにまだ39歳。
大手の企業信用調査会社データによれば、植西氏は京都府出身。
立命館大学国際関係学部を2006年3月に卒業。
同年4月には、当時、名証セントレックスに上場していた、東京都中心に投資用高級ワンルームマンションを開発、販売していた「エスグランドコーポレーション」(東京都目黒区。杉本宏之代表)に就職している。なお同社はリーマン・ショックもあり09年3月民事再生法申請。同年4月、上場廃止になっている。そして現在は、あの村上世彰氏 の投資会社に。
翌年、植西氏は別会社へ。その後も、別の不動産会社「ジャパンインベスターパートナーズ」(東京都豊島区)に移り、2014年3月、初めて自分の会社、不動産売買の「Vita Consulting」(東京都港区)を設立している(現在は休眠状態)。
今回、問題になっているレヴィ(設立時は「HEARTS Asset Management」の社名)を設立したのは翌15年7月。前出の同社と一体の関係のサブリース会社・ブレイズが設立されたのは同年11月のことだ。