アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<連載>ご注意『この男、詐欺師につき』(10)「三菱電機」前社長の息子らによる強盗事件の首謀者

 京都府警は今年1月、総合電機大手「三菱電機」(6503。東証プライム。東京都千代田区)の前社長、杉山武史氏の三男・杉山玲央被告(30。下左写真)ら男6人を営利略取と監禁容疑で逮捕。2月には内5人を強盗傷人容疑などで再逮捕した(強盗致傷と違い、傷害の故意があり、一般に罪は致傷より重い)。
既報道によれば、杉山被告らは昨年6月、大阪市西区のスポーツジムから被害男性(32)を車で連れ去り、24日間監禁して脅迫、暴行し、男性の暗号資産(約1億1883万円相当)を被告らの口座に移したという。
先週発売の写真週刊誌『フライデー』(5月5日号)が、この事件とは別に、杉山被告は10億円の詐欺トラブルを起こしていたと報じている。
だが、本紙への告発によれば、杉山被告を事件やトラブルに引き入れたさらなるワル=首謀者がいるという。しかしながら、杉山被告は三菱電機前社長の息子故、どうしても話題性から彼を前面に出した報道になっているという。
そのさらなるワルとは、冒頭の運転免許証コピーのように「竹内雄哉」被告。杉山被告と同い年。ただし、東海大卒の杉山被告と違い、竹内被告は高校中退で、その後、陸上自衛隊に入るも約1年で辞め、少なくとも5年ほど前から詐欺人生を続けていたようだ。
実はこの竹内被告も冒頭の強盗事件で杉山被告と共に逮捕・起訴されている。
関係者の話などによれば、竹内被告が5年前から行っていたのは金券を利用した闇金融を騙った出資金詐欺のようだ。
「中小企業の求めに応じ、買い付けたデパート商品券や図書券など送ると、その額面に3割(月?)の利益を付けて振り込んで来ると。なぜ、そんなことになるのか意味がよくわからないが、金券をかませることで、出資法、利息制限法をクリアするという理屈なんでしょうか。グレーだけど犯罪ではない。ともかく、それで儲かるからと投資させていたようです」(関係者)
下右写真は、今回、告発して来てくれたA氏と杉山被告が交らした公正証書(竹内被告が連帯保証人)。
その金額は11億4500万円となっているが、利益を含めたもので実際に詐取された総額は9億5000万円だという。
 ただし、その借入理由は前述の内容とは異なる。
「予定していた出資者の入金が5月末にズレた。繋ぎ資金として3億円1カ月ほど貸してくれと。知人の紹介で2人でやって来たのが昨年3月。一度は断ったんですが、土下座までして頼む。竹内が、杉山は『三菱電機』社長の息子だという。また、銀行の残高をパソコンで見せられ10億円以上あるので、いざとなればそれで返すと。それで3億円貸したら、いろいろ理由を付けて返済を延ばし、”4月の(中小企業の)注文をレオ(玲央)君が7億円受けてしまった”とか言われさらに追加で出資させられ……」(A氏)
話を総合すると、杉山被告が竹内被告と知り合ったのは昨年のことで、一緒に仕事をしたのはA氏の件が初めてのようだ。
冒頭の強盗事件が起きたのは昨年6月以降のことで、A氏との出資金トラブルを契機に杉山被告は深みに嵌まって行ったのかも知れない。
杉山・竹内の2人が知りあったのは共通の知人がいてゴルフを通じてのようだ。
逮捕後、竹内被告が書いた手紙のなかにはこんな記述がある。
「何故、レオ君を(仕事相手に)選んだかと言うと、お父さんの名前、レオ君の人脈……」。

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