アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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初の高裁判決――「生活保護訴訟」で逆転敗訴。山田明氏はヒラメ裁判官!?

 国が生活保護基準額を2013~15年に大幅に引き下げた改定は、すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するなどと規定した生存権を保証した憲法25条などに違反するとして、大阪府内の受給者ら約40人が国と自治体に処分の取り消しなどを求めた控訴審判決が4月14日、大阪高裁であった。
山田明裁判長は、減額を導いた計算方法をどう採用するか、どんな統計データを用いるかは「厚生労働大臣の政策的判断で一定の合理性が認められ、裁量権の範囲の逸脱・濫用は認められない」として、1審の判断を覆し、自治体側の訴えを認め、減額処分は適法だとして、受給者らの請求を退ける判決を言い渡した。
21年2月の一審・大阪地裁判決は、原油価格が高騰した08年を物価下落率の起点としていたが、「合理性や専門的知見との整合性を欠く」と指摘。生活保護世帯が余り支出しないテレビやパソコンなどの物価変動が大きく反映された点も「判断過程や手続きに過誤・欠落がある」として裁量権の逸脱に当たるとしていた。
 この原告側がいう同様の「いのちのとりで裁判」、29都道府県で起こされ、すでに地裁では19件の判決が出ており、内9件が減額決定を取り消していた。しかも、昨年5月の熊本地裁判決以降、ほとんど原告側の勝訴で、原告側は今回の初の高裁判決もまず勝てるだろうと見ていたら、大阪高裁は大阪地裁判決を完全否定し逆転敗訴となった。
だが、つい先日、本紙YouTube版で、この訴訟につき原告側の理論的支柱になっている元「中日新聞」記者の白井康彦氏に登場してもらった際の解説のように、厚労省は第2次安倍政権の公約だった「生活保護費減額」を忖度し自主的に独自手法で統計データの改ざんまで意図的にやったと見られるからこそ、さすがに大阪地裁も看過できず原告側勝訴とした思われるのだが、なぜ今回、それを真っ向から否定するような判決を大阪高裁は下したのか?

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