2月10日(金)午前11時から大阪地裁で、2回目の審尋があったので報告する。
真言宗「正圓寺」(冒頭右写真。大阪市阿倍野区)は、実に1000年の歴史、そして3500坪の敷地を持つ由緒正しき寺院だが、事件屋らにより乗っ取られた疑惑が浮上したので本紙で報じていたところ、中務稔也氏(冒頭左写真)から記事削除仮処分申立された。
あくまで疑惑だが、しかし、お寺側が中務氏も含め詐欺容疑で訴え正式受理され、すでに大阪府警の捜査は行われていると見られる。だから、本紙としては訴えられたこと自体、正直想定外で、よくそんな立場でやるよと思っている。
そして実際、2月10日の2回目審尋の結果、本紙はその思いをますます強くしている。
というのは、既報の通り、1月12日の1回目審尋の際、本紙はなぜ中務氏にも乗っ取り疑惑があるか、その根拠などにつき述べた分厚い書類を提出している。それから丸々1カ月あったのだから、本紙としては、当然ながらこの2回目審尋までには、こちらの主張に対する反論を中務氏の弁護士(「川原総合法律事務所」大阪市北区)が詳しくして来ると思っていた。
ところが、2月6日付で送付されて来た「第1主張書面」(下右写真)はペラペラのものだった。それもそのはず。
向こうの主張は①中務氏は私企業の私人に過ぎないので公益性がない、②真実性については、お寺側の主張に偏った断片的で客観性のないものだと述べているだけ。
前述の本紙の客観的な証拠などに基づく主張には、まったく反論していない。正直、これでも弁護士かと驚いた。
そこで、2回目審尋では、なぜこちらの出した証拠などに基づく主張にまったく反論しないのかと問うた。すると、向こうは反論しなければいけない理由はない旨、述べた。それはそうだが、一般にはしなければ不利になるだけでは?
お寺側とも現在、本紙が乗っ取り仲間と見る者も含め、複数の民事訴訟が争われ、同じ弁護士事務所が代理人をしているが、お寺側によるとやはり反論して来ないという。反論できないのか、もしくは、時間稼ぎをしているだけではないかと言う。
こんな中務氏側の態度に対し、さすがにそれでいいというわけもなく、裁判官からはできる限り、本紙の証拠にも基づく、中務氏が乗っ取りに関与していると思わざるを得ない理由(大きく5つ述べている)につき、反論するようにと発言があり、3回目審尋は3月10日(金)午前11時からとなった。
裁判官によれば、本紙側は、その時に出て来る反論に対し再反論すればよく、したがって、そのために第4回目の審尋も設けると。本紙・山岡にすれば、2回目にキチンと反論が来ていれば3度で終わっていたわけで、少なくとも4度大阪地裁まで出向くのは大変な負担だ。裁判官からは「すいませんが」の言葉があった。
ここからは、前回(1)に続き、「中務氏がお寺乗っ取り疑惑当時者と見る理由」の(2)だ。