アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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情状酌量の余地ない傷害致死事件で有罪+違法建築物件でも融資契約解消しない「商工中金」

情状酌量の余地ない傷害致死事件とは、自分の自宅に呼んだ当時28歳女性に勧めた日本酒のなかに致死量の約100倍ともいわれる覚せい剤を入れて飲ませた件をいう。
飲ませたのは、石原信明(冒頭写真。72)。
石原は会員制デートクラブにVIP登録しており、被害女性は、税理士である石原の東京都渋谷区神泉町の自宅に派遣されてのことだった。とはいえ、覚せい剤を入れたのは、自分が好きなように被害女性を弄ぼうとしてこっそり混入させた覚せい剤の量を間違えてのことと思われ鬼畜の所業といってもいいだろう。
事件は2018年7月に発生。そして翌19年3月に最初は殺人罪で逮捕されるや、大手マスコミで大きく報じられたからご記憶の読者は多いことだろう。
そうしたなか、本紙には、政府系金融機関(財務大臣が46・46%の筆頭株主)の「商工組合中央金庫」(商工中金)が、石原が代表を務める「さつきエステート」(住所は自宅)が所有する東京都港区青山2丁目の2棟のビルを担保に1億9700万円の根抵当権を設定しているが、こんな者に政府系金融機関が融資を続けるのはいかがなものか、商工中金に問い合わせした上で報じてくれとの告発が寄せられた。
「期限の利益喪失時効」、もしくは公序良俗に反するなどの理由に該当しないかというわけだ。
そこで本紙は商工中金に問合せしたところ、個別案件には回答できないが、「融資実行後に不適切な事象が発生した場合には、適切に対応している」旨の回答があった。
契約は解除されていないが、それは裁判中は推定無罪が原則だから致し方ないと思っていた。
ところが、その後、この担保設定した2棟のビルの1棟は、「違法建築」であることが民事訴訟で確定していることがわかったので、再度、問い合せし、その結果を報じた。
その際は、そもそも違法建築と知っていたら担保設定しないし、融資時に違法建築と知らずに融資しても、融資後、違法建築と判明したら、適切に対応する旨の回答だった(横写真)から、本紙はまだ傷害致死事件の方は裁判中ながら、それでもほどなく契約解除になるだろうと思っていた。
その2度目の回答につき報じたのが2019年10月のことだ。
だが、日々の記事配信に忙しく、担保設定状態を確認することを忘れていた。
そうしたところ、昨年12月、2021年7月20日、石原に対し、一審ながら懲役9年の実刑判決が出ていることを人伝に知った。そこで東京高裁に確認したところ、すでに控訴、上告とも棄却になっているとの回答を得た。あれだけ注目された事件ながら、大手マスコミでは一審判決後、後追いの報道はまったく出ていないようだ。
いずれにしろ、「違法建築」に加え、有罪も確定したわけだから、さすがに契約解除になっているのでは、と登記簿を確認したら抵当権は付いたまま。契約解除になっていないではないか。
そこで今年に入り、何故解除されていないのか、再再度、商工中金に問い合わせした。
その回答(文書)を以下に転載した。

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