アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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杉野学園疑惑 消えた2億円(?)の謎。安倍晋三幹事長代理の北海道霊園疑惑人脈も関与

●グラウンドの売却価格に、2億円の差益

疑惑で大揺れの学校法人「杉野学園」――同学園の所有する東京都日野市のグラウンド用地(約7600坪)売却を巡っても数々の疑惑が上がっている。
理事会の決議をキチンと経ていない。学校法人が基本財産を売却する場合、監督する役所(文部科学省と品川区)に事前にしなければならない届け出をしていない。
この売却を仲介した学園の顧問会社「文化総合研究所」(東京都港区)は、売却した04年7月30日時点で宅建免許を取得していなかった。これに加え、さらには公表されている売却価格と実際の価格との間に2億円もの差益があるとする疑惑が出て来ているのだ。
左の書類は、杉野学園が融資を受けている八千代銀行に出した書面。そこには、相手(東証2部の不動産会社「スルガコーポレーション」)先には14億5000万円で売ったと記されている。右の書類は、買い取ったそのスルガコーポレーションが日野市への転売希望価格を17億円だと、仲介業者に示したものだ。
購入から、転売希望までわずか1カ月ほど。それで2億5000万円もの利益を得ようとするなど、何とも美味しい商売というか、強欲というか……。ところが、ある学園関係者はこう断言する。
「購入を担当したスルガコーポレーションの東京支店長(兼専務取締役)は“強欲なんかではない。16億5000万円で購入し、それに5000万円を上乗せして17億円といっただけ”と関係者に公言しています。いったい、この差額2億円はどこに消えてしまったのでしょうか」
そこで、杉野学園の中村賢二郎理事長を始めとする幹部、そして、疑惑の不動産取引を仲介した「文科総合研究所」関係者が、何らかの不正な関与をしていないのか? との疑惑が出ているわけだ。

●安倍晋三幹事長代理の北海道霊園疑惑人脈も登場

 仲介した「文化総合研究所」を牛耳っているのは、橘田幸俊氏なる人物。
ついこの間まで同社社長を務めていた人物は、「サブローインターナショナル」(東京都港区)なる不動産会社社長でもある。このサブロー社のオーナーが橘田氏であることは、かつて彼がサブロー社の役員を務めていたこと、関係者の証言などからも明らかだ。
この橘田氏、バブル時代は「愛時資」なる不動産会社の代表を務め、映画会社「東映」の株を買い占め、同社の岡田茂元社長と懇意となり、一世を風靡した人物。しかし、好事魔多しというか、その後、ゴルフ場用地の売買を巡って国土法違反を犯し、交渉相手の山口組系後藤組関係者と共に逮捕され、話題になったこともあった。
また、最近では、「ライブドア」のスキャンダルに関し、堀江貴文社長が「商工ファンド」から数百億円の借り入れがあるとする怪情報が流れた際、その仲介をしたのが橘田氏との名が上がり、各社が取材に動いたこともあった。
だが、本紙がこの橘田氏に注目しているのは、安倍幹事長代理の疑惑絡みで登場するからだ。
興味のある方は、本紙「安倍晋三代議士と霊園との怪しい関係」(04年10月9日)、「本紙・山岡、『週刊金曜日』に安倍晋三代議士記事執筆」(10月28日)をご覧になっていただきたい。この疑惑の霊園の理事に、安倍幹事長代理の実母と共にかつて仲良く就いていたのが橘田氏(前出・岡田氏も)。それだけでなく、この霊園を裏で牛耳る高橋幸雄なる人物が率いていた企業群「たかをグループ」(民事再生法の下、再建中)の不正な資産差押え逃れに協力した受け皿会社の一社が、前出・サブロー社なのだ。
(写真 疑惑の霊園の運営会社・「中央公益札幌」や、同霊園を裏で牛耳る高雄グループの入居するビルと同ビル入居社表示板)

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