アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<書籍紹介>『漢方薬剤師が教える 薬のキホン』(平地治美。日貿出版社)

近年、薬剤師による薬の副作用などの危険性を説いた著書は多く、ベスセラーになったものもある。
だが、一口に薬といっても、西洋薬と漢方薬があり、漢方薬の方について一般人向けに書かれたものはまず聞かない。
というより、そもそも一般人のなかには漢方薬は、化学製品の西洋薬と違い、自然の素材を使っているから副作用はないと思っている方も少なからずいるのではないだろうか。だが、漢方薬でも死亡例さえあるのだ。
その点、筆者の平地治美氏は漢方薬剤師だから詳しいのだが、同時に、鍼灸師として「和光鍼灸治療院」(千葉市)を開業し、その診療のなかで自ら漢方薬を試した実体験に基づいて書いているので、そこらの頭の知識だけの薬剤師と違い説得力がある。
しかも、著者はともかく漢方薬だけが優れているとの考えではない。西洋薬もいいところがあると認め、西洋薬と対比して漢方薬のキホンを解説してくれているから、なおさら一般人でも分かり易い。
加えて、本書で具体的に取り上げているのは降圧剤、糖尿病治療薬、鎮痛剤など、さらにはサプリメント、化粧品とひじょうに身近で多用する西洋薬などと、それに代わり得る漢方薬について解説してくれているから実用的でもある。
むろん、単なる薬の持つ副作用だけでなく、食品との飲み合わせ、薬に頼らない対処法なども丁寧に、そして平易に書いてくれている。さらに1章分を「漢方薬と感染症」、すなわち新型コロナウイルス感染症対策について書いてくれているのも嬉しい。
自分の健康、すなわち命に関することだ。
本紙・山岡は週刊誌の健康に関する取材の方で、著者には長年ひじょうにお世話になっている。
この薬の基本を読んでおいて損はないだろう。
(1600円+税)

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