アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<ミニ情報>コロナ治療薬開発をデッチ上げていた「テラ」が破産

 医療ベンチャーの「テラ」(2191。東証スタンダード。東京都新宿区)は8月5日、東京地裁に破産申請し、同日、破産開始決定を受けた。負債総額は1億8765万円。株式は8月23日付で上場廃止となる。 上場企業の倒産は、「Nuts」以来、約2年ぶり。 同社は医療機関向けに棒状細胞ワクチン研究開発などを行い、2009年3月、当時のジャスダックに上場。15年12月期(連結)には約19億円の売上高だった。 だが、研究開発費が嵩み赤字が続くなか、金融庁は有価証券報告書等の不記載で20年6月、2億2385万円の課徴金納付命令を決定。奇しくも同月、新型コロナの治療薬開発の治験をメキシコで行うとのIRを受け、同社株は2175円と約15倍にも暴騰。だが、『フライデー』などがこれに疑義を呈する記事を載せ株価は急落。実際、同社は21年8月、報道通りこの治験は虚偽だったと認めるIRを出した。 しかも、21年3月には証券取引等監視委員会(SESC)が強制調査に入り、翌22年2月、インサイダー容疑で同社株を購入していた不動産会社社長らが逮捕に。続けて同じ2月、今度は株価を吊り上げるために約35億円の増資するとのIRをテラに出させた(20年10月)偽計容疑で、前述の虚偽の治験を引き受けていたとした医療コンサル元役員らが逮捕された。 こうしたなか、完全に同社の信用は地に落ち、20年12月のたった100万円の現金しか調達できなかった一部増資(前述の約35億円の増資のはずが)以降、新たな増資をできず、今回の破産に至った。…

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