プロフィール 投資歴24年、兼業投資家。投資で勝つために必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」を読む力、3に「ファンダメンタルズ分析」だと考えている。安定した資産形成を促すことを心がけている。
≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週末の日経平均株価の終値は27,824円と、前稿比+62円(※前項比+980→ +43→ +311→ ▲576→ +156→ +12→ +107→ ▲680→ ▲484→ +1323→ +1664→ ▲822→ ▲491→ ▲646→ ▲574→ +256→ +440→ ▲805→ ▲602→ ▲355→ ▲313円)の小幅上昇だった。しかし週末金曜日に、米国で発表された「5月消費者物価指数CPI」は、市場のインフレピーク期待感を打ち消すほどの悪い数字となり、ナスダックを中心に値下がりし日経平均CFDも27,406円まで下がっている。
TOPIX(東証1部全体)の週末金曜日の終値は、1,943Pと週間で+10P高(※前稿+46→ +10→ +13→ ▲54→ 17→ ▲6→ 5→ 1→ ▲47→ ▲37→ 72→ 109→ ▲45→ ▲31→ ▲48→ ▲38→ 32→ 57→ ▲51→ ▲51→ ▲18→ 4)だった。
米国のNYダウは、週間で▲1,507ドル安となる、31,393ドル(※前稿比▲313→ +1951→ ▲935→ ▲78→▲834→▲640→▲270→▲43→▲97→106→1811→▲670→▲445→▲20→▲659→▲352→365→460→▲1647→▲320→▲106)と、大きな下落。
ナスダック指数は、週間で-673P安の11,340Pとこちらは5月20日の最安値11,036Pが再び接近してくるほど。昨年11月22日の高値(16,212ポイント)比の下落率は、最安値では32%である。
先週金曜日に発表された、米国の「5月の消費者物価指数CPI」は、市場コンセンサスを大きく下回ってしまった。事前にはかなり多くの有識者が、インフレピークアウトの可能性を指摘していたため、「まさか!?」の思いを市場は感じたようで、NY市場は一方的な下落となった。子細に見ていくと、前月比で+1%、前年同期比では+8.6%の数値で文句なく5月が一番ひどいインフレであり、コンセンサスの上限すら上回ってしまった。またコアも含めてすべての数値でコンセンサスを上回ってしまっているため、もはや弁解の余地はない。
その上、立て続けに発表されたPM23:00の「6月ミシガン大学消費者信頼感指数」は、コンセンサスが58.1だったにもかかわらず、50.2の数値。これは統計が開始された1978年以降での最低の数値である。ということは、「すでにリセッション(景気後退)入りしたのでは!?」と市場は疑心暗鬼状態になってしまっても不思議ではないだろう。
ただ、ナスダックのVXN(恐怖指数)は33.97で引けている。PM23:00には35.52があって緩やかに下落したことは市場に安心感を抱かせた。
そして、先週の金曜日の場中に先んじて売られていたこともあるが、相対的に日本株の先物指数は、米国市場に比べて強かったことは意識しておきたい。マザーズ先物も日経平均先物も、終盤に米国株が再度下落を開始しても、付き合わず小幅上昇していったのだ。リセッション入りしていたのならば、世界の景気敏感株と揶揄される日本株だから、米国市場よりも悲惨な下げになることが普通だ。
さて、今週のストラテジーへと移りたい。
残念ながら今週は、まずは自分の持ち株で、「含み益が残っている持ち株をいったん売るべき」だと強く考えている。特に、日経平均株価指数の出来高の節目が27,300台、TOPIXは1,910P台であり、ここを下回ったら一回売却して様子見するのが、投資家の務めだろう。
仮にここから、市場がリセッションの流れに向かうのならば、株式市場で、どの指数も直近最安値を割ることは想像に難くないだろう。
こう考えるのは、もはや相場が下げ過ぎからの一時的な反発くらいしか上昇するイメージを抱けないことがある。例年6月までは、配当再投資もあり相場が持つイメージだが、基本的には6月のメジャーSQを過ぎたころから夏枯れモードとなり、9月いっぱいまでは軟調地合いが続くのが常だ。
また直近は、インフレが再燃している気配がでてきている(※テクニカルの項に後述)。また、米国だけでなくEU圏や世界中で利上げが夏場から急ピッチで進む雰囲気となってきた。そして、ロシア・ウクライナ戦争もまるで終結に向かわない今、相場が反転する可能性は極めて低い(※港湾をロシアに占拠されてしまい、小麦などの穀物の輸出は致命的な見通し)と言わざるをえない。