アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

パシコン・荒木民生社長の疑惑(1)

●化ける土地

まずは写真を見ていただきたい。
右の写真は東京都多摩市のパシコン本社周辺の写真。右手の中央のビルがパシコン本社ビルである。
昨日、掲載したパシコン本社ビルは正面から撮ったもので、この写真は裏手から撮ったもの。
そう、裏手はこのように、現在、広大な駐車場になっているのだ。そして、そのさらにすぐ後ろには左写真のように多摩川が流れている。
そう聞くと、ずいぶん辺鄙な場所と思われるかも知れないが、そんなことはない。
パシコン本社は京王線「聖蹟桜ヶ丘駅」の改札口からわずか100Mほどのところにある。
駅とパシコン本社ビルとの間には、道路を挟んで京王百貨店のビルがあるだけ。
要するに、更地の駐車場土地の大部分は河川敷に続く原野なので、現在はたいした価値はないものの(とはいえ、40億円の抵当権が付いている。バブル時代は500億円ともいわれた)、宅地に地目変更できれば、都心に余裕で通勤可能な残り少ない超優良物件として大化けるすること必至の宝の山なのだ。
その更地総面積、約6000坪。そのため、過去、この地の地上げを巡っては東西広域暴力団関係者が入り乱れ、競売妨害や、警官の贈収賄で複数の逮捕者が出るなどした関係者の間では超いわくつきの物件。この儲け話しに乗せられて資金を出した大企業もアイペック(倒産)、小松原研修事業団(同)など数多い。
だが、地目変更のためのさまざまな規制をクリアできず、現在もその大半は原野のままなのだ。


●荒木社長が高層ビル建設許可を取ってやるとして、高額コンサル料を取る

関係者によれば、政治力があることに加え、問題の土地に本社があり、多摩市にもなおさら顔が効くということで、パシコン・荒木社長が許認可調整のための高額コンサル料を要求。そこでT社は03年5月、30階近い高層マンションを建てれるようにするということで、パシコン側と契約を結んだというのだ。
「その価格は12億5000万円です。T社からパシコンの子会社に支払われました。問題なのは、T社とパシコン側とのその間の折衝を担当したのは元広域暴力団組員Nであり、先の12億5000万円の一部、2億9000万円が、入金のあった翌日、パシコン子会社からそのNの経営するK社に払い込まれ、さらに、その半分、1億4000万円がパシコンの荒木社長の一族会社に振り込まれている事実です。さらに、これだけのカネを受け取っておきながら、少なくともいま現在、許可は下りていないのです」(事情通)
その通りなら、荒木社長は業務上横領ないし特別背任罪、さらには詐欺罪にさえ問われる可能性が出て来るのではないだろうか。
T社は本来、支払わなくていいい割高なコンサル料を支払わせたわけだ。また、仮に詐欺には問えないとしても、パシコンに本来入るべき収入の一部をキックバックさせ、実質、自らの懐に入れてしまったのだから。
1億4000万円のバックリベートを受け取ったとされるP社(東京都渋谷区)は、現在は別人が代表だが、かつてはパシコンの荒木社長の長男・謙氏が代表に就いていたし、その後も02年11月末まで役員だった。一方、監査役にも03年12月末まで親族が就いていた。
さらに、同社の所在地は、かつて荒木氏が社長を務め、上場を謳いながら破産させた「パシフィック・テレコム」本社と同ビルなのだ。

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