「積水樹脂」(4204。東証1部。大阪市北区)の子会社「積水樹脂プラメタル」(長野県上伊那郡辰野町)が工事現場の防音のために製造・販売する「ビルガード」という防音パネル(冒頭写真は使用例。現場では何百枚と組み合わせて使用)がある。
約9割もの市場占有率を誇るが、価格がかなり張る。
そのことに目を付けた中国人が類似品を中国で製造、そして日本に持って来てビルガードの3分の1という安値で販売していた。
むろん特許侵害しているし、それ故、表に出すこともできず、業界団体「仮設工業会」の認定も受けてない。類似品というより「偽造品」といった方が適切だろう。
本紙がそのことを指摘したところ、事実にも拘わらず、その中国人は提訴して来て、現在、本紙と東京地裁で係争中だ。その中国人とは千代芸新氏(旧名・張芸新=右写真人物。46)。その偽造品を販売している千代氏が代表を務める会社は「JTC」(千葉県松戸市)。建築現場で使用される仮設資材の製造・販売・卸を手がけ、毎年10数億円の売り上げ。
千代氏が提訴したのは、この偽造品販売事実が「積水樹脂プラメタル」側に発覚、積水側は調査を本格化させた21年に入ると、販売した偽造品を回収することで証拠隠滅を図ったと思っているからのようだ。
だが、JTCはかなりの枚数売り捌いていてすべて回収は不可能。
「JTCは3種類ほどの偽造品を作っており、最新のものは見た目は本物と見分けがつかないほど。それだけ悪質なので、そのスーパーコピー分だけは必死で回収しています。ですが、積水樹脂側に伝票を抑えられ、一部についてすでに千代社長自身、販売を認めています」(事情通)
にも拘わらず、事実無根だとして本紙を提訴するのだから、「盗人猛々しい」とはまさにこういうことを言うのだろう。
しかも、本紙は追加取材で、このJTCのスーパ―コピー品(偽物)の写真を入手した。