アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<記事紹介>『軽度な知的障害のある高齢者――相続した遺産を実弟に奪われた』(筆者・本紙山岡。『ベルダ』21年8月号)

わが国の知的障害者は人口1000人当たり9人程度いるという。
一口に知的障害者といってもIQが20以下の最重度から、51~70度の軽度まで4段階に分けられる。軽度の場合、日常生活はまず問題なく、周りは軽度の知的障害とは気づかないケースもある。
しかし逆にいえば、そのため成年後見人のように本人に代わって財産を管理してくれる制度を利用することも、周りの保護を受けることもなく、性悪な者に財産を騙し取られることも。
本紙・山岡の元に、父は軽度の知的障害者だったところ、その父の死後、長年に渡り、あろうことかその父の実弟が財産を騙し取っていたことが発覚したとの告発が寄せられた。
許せないのはむろんだが、父と同じように軽度知的障害故に被害に会うケースはたくさんあると思われるが皆泣き寝入りだとして、父のケースを明らかにすることで少しでも世の関心が高まってもらえればとのことだった。
そこで、月刊会員制情報誌『ベルダ』(発行・ベストブック)の連載ページ(3頁)で、本紙・山岡は取り上げた。
この愛知県一宮市在住のF氏(昨年8月に80歳で死去)のケースでは、告発して来てくれた息子からいえば祖父にかなりの不動産などの財産があったところ、本来は父に遺産相続されるべき不動産が弟名義になっていたり、父の不動産がその弟の息子の借金の抵当に入れられていた(弟の不動産は無抵当なのに)。さらに父の生前、偽造したと思われる借用書が何度も現れ、人のいい父は身に覚えがないのに総額5000万円以上払わされていた疑惑も。そうかと思えば、この父、性格が明るく人が良かったことからトヨタ自動車の孫請け会社社長に、そして重大疑惑の弟が副社長を20年以上していたが、88年、弟は辞職して新会社設立。その際、父の会社の重要部門を無償で譲り受ける。90年から4年間で父の会社は合計19億円以上売上高を減らしているが、この影響が大きいと息子はいう。
こうしたことから、父は責任を取り社長を辞任。この告発者である息子は、それまでのいわばボンボン生活から一転、大学生時代に苦学生になったという。

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