アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

大阪府警が捜査中――ネカマ暗号資産投資詐欺にご注意。被害総額数十億円か

コロナ禍で出会いマッチングアプリの利用者が増える一方、そのアプリを介した詐欺被害も並行して増えているようだ。
本紙が把握したのは、「Pairs(ペアーズ)」や「タップル」、「Tinder」といった大手のマッチングアプリを利用し、女性になりすまして接触して来るケース。
彼らは、まずは出会いを求める男性とマッチングし、アプリ内のメッセージでやりとりする。最初は、友達とご飯に行った話や買い物の話で自身に興味を持たせ、徐々に投資やFXのトレードで生計を立てているとの話を出して行く。その上で、お互いの信頼関係ができたところで、LINEへの移行を促す。そして、投資へ興味を持った男性に対し、暗号資産(仮想通貨)の知識をアピールすることで、「本当にスゴイ人」と植え付けていく。実際に暗号資産のトレードを行い利益を出させることもあり、時間をかけて信頼関係を築いていくのが彼らの手法だ。
こういうと、本紙でも以前報じた、社員が「婚活」サイトに個人的に登録し、2人の将来のためといって、クズマンションを売りつけていたケースを思い浮べる読者もいるかも知れない。
確かに、異性が気を引いてカネを出させるという点では同じ。だが、今回のケースはあくまで男性が女性になりすまし、一度として被害者とは会わず、金銭支払いまですべてネット上で完結するという点が大きく異なる。念のため解説すると、記事タイトルの「ネカマ」とは、「ネット上で男が女を装う」=「ネットのオカマ」の略。
ネット上で現金を暗号資産に交換、そして送金させると、その追跡はひじょうに困難になるからだ。
ところが、今回のケースでは、すでに大阪府警は昨年11月、関係先を一斉に家宅捜索。Xデーは近いとの見方もある。
今回の詐欺案件は組織的に行われており、グループの幹部らは主に若干25歳ほどで、被害総額は数十億円規模と見られている。
本紙はその被害に会った2人から話を聞くことができた。
以下、その具体的な手口を報告する。

<被害者A氏のケース>
2019年8月、出会いを求めてマッチングアプリで相手を探していた被害者A氏は、「のりか」と名乗る女性とアプリ上で知り合い、LINEにて連絡を取り合うようになる。
LINE通話にて女性が「自分のオジさんは投資家」、彼女自身は「元々証券会社に勤めていて、独立してトレーダーになった」といわれ、女性の投資話に信頼を置くようになる。
同年8月19日、「Arkcashという暗号資産が上場して10倍に上がるらしい」と通話で聞き、暗号資産に興味があった被害者A氏は彼女にいわれるがまま「Bitbank」(*詐欺グループが利用している暗号資産の取引所)と「HBウォレット」(*詐欺グループが利用している暗号資産のウォレット。彼らの取り扱う暗号資産を受け取るための財布のような役割をしている)を作る。

この続きを読むには有料購読の登録が必要です。

関連キーワード
検索

カテゴリ一覧