アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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<主張>懲戒請求者氏名公表はプライバシー侵害に当たらず――ゴーン被告の元弁護人に対する記事等差止、損害賠償請求訴訟で

 4月14日、レバノンに逃亡している「日産自動車」(7201。東証1部)のカルロス・ゴーン被告(67)の弁護人・高野隆弁護士(64。冒頭写真左人物)が所属弁護士に懲戒請求されたことに対し、懲戒請求者の氏名を明示して自分のブログで反論したことがプライバシー侵害、また同じく氏名を明示して懲戒請求書のPDFファイルを作成・リンクさせ誰でもネットで懲戒請求書を見えるようにしたことが著作権等を侵害するなどとして、懲戒請求者が記事削除、損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地裁であった。
佐藤達文裁判長は氏名公表はプライバシー侵害に当たらないが、懲戒請求書は「著作物」に当たるとしてブログ記事にリンクした懲戒請求書のファイル削除を命じた。また、損害賠償請求は認めなかった。
 高野弁護士が懲戒請求された際にそのことを報じた「産経」だけが、今回の判決も報道(横写真)。そのタイトルだけ見ると、高野弁護士は「敗訴」となっている。
確かに、懲戒請求者(原告)の請求がすべて却下されたわけではないが、ブログ記事は削除しなくてよく、損害賠償請求も一切認められていない。その上、仮執行も認められていない。
だから、今でも高野弁護士のブログを見ると懲戒請求者の氏名は誰でも見れるし、それは懲戒請求書も同様。しかも懲戒請求書の方は懲戒請求者の氏名だけでなく、東京都〇区〇町(何丁目以下は黒塗り)に住んでいるかまでわかる。
SNSで誰でも情報を発信できる現在、相変わらず匿名が常識だが、基本的に実名でやるべき(=自分の発言に責任をもつべき)と思っている本紙・山岡からすれば、その点では画期的判決と思っている(むろん、権力者に弾圧されるようなケースでの匿名は当然だが)。

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