アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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「事実上の回答ゼロ! IWJ岩上氏の菅首相への質問から明らかになった、政府のコロナ対策の無能・無策」

 大手マスコミが無視するなか、本紙・山岡が本紙で報じた安倍晋三首相の重大疑惑につき、何度もインタビューしてくれている「インディペンデント・ウェブ・ジャーナル」(通称「IWJ」)――その代表でジャーナリストの岩上安身氏は1月13日の菅総理記者会見に出席。質疑応答には指名されなかったものの、司会の報道官は出席した記者全員の質問をメールで受けつけ、その質問と回答を官邸のHPにアップすると言明したので、岩上氏は同日中に質問を出したという。
その回答が19日夜から官邸HPに載っている(*ココをクリックすれば見れます)ので、まずはそこの岩上氏と質問と、それに対する回答をご覧いただきたい。
岩上氏はその回答は中身は「事実上ゼロ回答でした!」という。
そして、その回答に対する反論を公開している。
以下、その全文を岩上氏の許可を得て、本紙でも公開することにした。
というのは、岩上氏の今や自宅療養者(その可能性のある者も含む)こそが他の家族にも感染者を増やしており、飲食業の時短などより、基本に立ち返り国民全員のPCR実施が必要との意見を本紙も支持するが、話の論点をすり替えまともに回答していない。つまり、単に無知・無策なのか。ともかく官邸、菅首相がコロナ対策をキチンとやることは不可能であることを結果的に証明してしまっているからだ。

菅総理への質問に対する回答の中身は事実上ゼロ回答であり、回答になっていませんでした。
ポイントは3点あります。

{第1点のポイント}
30代以下の若年層の無症状者が増えており「知らず知らず」のうちに感染を拡大しているという状況認識がありながら、無症状者を含めて無差別に全量検査を行うという決断に踏み切らないのはなぜか、という点です。
現実に、無症状の者も公費で検査が受けられるような体制には、まったくなっていませんし、そうしようという強い政治意志も示されていません。無症状者の中から陽性者を検査によって見つけ出し、隔離・保護しなければ感染拡大が止まるはずはありません。
しかし、総理官邸からの回答は、「無症状者を含めた無差別の全量検査を行わないのか」という問いについてまったく触れていません。ただ単に飲食業の時短などに、問題をすりかえているだけです。
すでに、感染経路不明が感染の6割を占めているのに、この「4つの対策」なるものは、「強力」でも何でもなく、いたずらに飲食業を疲弊させ、消費を冷え込ませ、経済を悪化させ、そして第3波の感染拡大阻止および変異株の早期発見と感染拡大の封じ込めにも失敗してしまう懸念がぬぐえません。
菅政権は、失敗し続けているPCR検査抑制政策を根本的に転換しようとせず、その理由も説明していません。問いに対して、ただただ回避しているだけです。「検査体制を拡充してきました」とは言っても、量としてあまりに過少で不十分であり、同時に無症状者に対しては公費による検査は門戸を閉ざしたままです。これでは、総理自身が認識している通り無症状の若年層から陽性者を見つけ出して隔離・保護することは不可能です。

{第2のポイント}
隔離施設の絶対的な不足です。症状があり、検査を受けられ、陽性と判明しても、隔離が適切に行わなければ、感染拡大を防ぐことはできません。米国は日本とは比べものにならないほど大量のPCR検査を行っていますが、その後に隔離ができず、結果、感染拡大を封じ込められず、世界一の感染拡大大国という惨状を呈しています。
日本は、春の第1波、夏の第2波とは比べものにならないほど、秋・冬の第3波においては感染拡大が加速しており、検査によって陽性者を発見するとともに厳重な隔離が必要です。
にもかかわらず、質問で触れたように、自宅で待機している人間が11月初旬と比べて2カ月間で17倍、1万7000人にもなっています。早急に隔離施設を確保しなくてはなりませんが、具体的な手だては何も打たれていません。「外出を控えるように」とは、隠れた自覚なき陽性者も含めて「自宅にこもるように」ということです。これでは家庭内感染を防げません。
五輪の選手村(横写真)では1万8000床分がまるまる空いています。空室を使えば、自宅待機は解消され、家庭内感染をゼロにできるのに、なぜしないのか。この具体的な質問に、総理官邸からの回答は一切答えていません。
五輪開催を強行するつもりでしょうか? 全世界で日本以上の感染爆発が発生しているのに、どうして外国人を大量に受け入れて、五輪開催が可能だと考えることができるのでしょうか? 感染力が強く、子供にも罹患する変異株も次々発見されているのに、100万枚発売した外国人観客向けのチケットの払い戻しをせず、膨大な数の外国人観客をほぼノーチェックで国内に受け入れて五輪を開催する気なのでしょうか? そうなれば感染爆発は、今のイングランドがそうであるように「制御不能」のレベルに達すると思われます。日本は亡びます。それでもいいのでしょうか?

{第3のポイント}
GoTo予算を2兆7000億円も、補正予算で組みながら、感染拡大によって一時停止に追い込まれ、あげくGoToイートとは真反対の飲食業の営業制限、飲食店での会食の制限を打ち出している状態です。
であれば、GoToキャンペーンは正式に打ち切り、未消化予算を、検査と隔離という最も基本的な感染症対策のために予算を組み換えて用いるべきです。予算の組み換え審議を求めている野党の要求はもっともであり、筋が通っています。しかし、総理官邸からの回答はGoToキャンペーンの打ち切りや予算組み換えには触れず、従来の予算組みで「万全を期しています」とだけにとどめています。

これは到底、受け入れられません。「万全」であれば、感染拡大を食い止めることができているはずだし、コロナが原因での倒産や失業も起きていないはずです。そもそも感染拡大自体、起こっていないはずです。
現実に感染症対策の基本である「検査と隔離」に忠実な中国や台湾やマレーシアなど他の東アジア諸国は、日本の第3波のような感染拡大の大波に見舞われていません。
「万全」ではないから、現状のような悲惨な状態に陥っているのであり、「万全」を期すならば、予算の組み換えを早急に行い、コロナ対策予算を格段に増やして全量検査と隔離・保護の徹底へと、180度、検査抑制方針を転換すべきです。
菅総理は、私の質問にどれひとつとして正面から回答されていません。これでは国民は救われません。

以上だが、官邸HPの他の大手マスコミの質問と見比べれば明らかだが、ここまで直言している質問はない。
記者クラブに属さず、何のしがらみもないフリージャーナリストだからこそ出来たことで、その岩上氏、そして氏が率いるIWJの存在はひじょうに重要だと思うが、この間のコロナ禍の影響もあってだろう、現在、IWJの会員数は401名(1月15日時点)。これは1年間に比べ838名も減っているという。そのため、岩上氏個人からIWJに貸付経営を維持しているが、そでにその累積額は約1000万円になり岩上氏自身の貯金は底を尽き限界に来ているという。

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