アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

内部・外部告発、情報求む!

(弁護士などのプロが調査。ただし、公益性あるケースに限る)

「クレアホールディングス」のPCR検査子会社化の一番の目的は、クレア経営陣の支配権維持か?

本紙既報のように、昨年11月20日に開催予定だった臨時株主総会を前日夕方にドタキャン(中止)した「クレアホールディングス」(1757。東証2部。東京都港区)の経営陣が、また奇手を繰り出した。
1月14日、簡易株式交換により、「オンサイトスクリーン」(東京都港区)というコロナウイルス感染の有無を判断するPCR専門会社を完全子会社するとIRした件を指す(完全子会社化の効力は2月4日発生)。
というのは、この結果、オンサイトスクリーンの親会社だった「CAVAプランニング」(オンサイトスクリーンと同住所)が16・47%で、クレアホールディングスの筆頭株主に踊り出たからだ。
この間、株主の「セノーテキャピタル」と、クレアホールディングス側とで経営権を巡る争いが続いている。冒頭で指摘した昨年11月の臨時株主総会のドタキャンは、株主争奪戦で負けると見たクレアホールディングスの経営陣が、相当に無理筋の理由で持って問題を先送りしたと見るのが本紙のみならず一般的な見方だ。
もっとも、株式交換を行うためには、原則として議決権の過半数を所有する株主が出席し、その3分の2以上の議決権の承認を株主総会の特別決議として得る必要がある。だが、今回のクレアホールディングスのように「簡易株式交換」といって5分の1(20%)以下の場合は株主総会の承認は必要なく取締役決議だけでできる。
子会社を買ってもらったのだから、よほどの問題でも起きない限り、今、再度の開催に向け手続きが進められている経営権巡る臨時株主総会(経営陣と株主側提案の2つの申立てがあり、遅くとも3月中には開催の見込み)につきCAVAプランニングはクレアホールディングス側に賛成票を入れるだろう。その場合、16・47%という割合は大きく、形勢が逆転する可能性も出て来た。
ただし、こう聞いても、読者のなかにはすでに予定されている臨時株主総会の基準日は既に設けられているので、今回、筆頭株主になったCAVAプランニングは議決権を持てないはずと思われているかも知れない。
だが、1月14日のオンサイトスクリーンの完全子会社に関するIRの8P目の「Ⅱ.主要株主である筆頭株主の異動について」の「1.異動が生じた経緯」の本文にはこんな記述がある(冒頭右写真の黄色マーカー部分)。

この続きを読むには有料購読の登録が必要です。

関連キーワード
検索

カテゴリ一覧