アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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≪連載(186回目)≫アッシュブレインの資産運用ストラテジー 今週の相場展望(6月15日~6月19日)

■プロフィール 投資歴18年、出版社勤務の兼業投資家。投資に必要なのは、1に「メンタル」、2に「需給」、3に「ファンダ」だと考えており、勝ってもおごることなくたえず反省を繰り返し、安定して資産を増やす投資を心がけている。

≪先週の相場振り返りと今週の見通し≫
先週末の日経平均株価の終値は22,305円と、先週比-559円安(前稿比+1056円→ +1420円→ +351円→ ▲142円→ +560円→ +357円→ ▲635→ +398円→ +1679→ ▲1569→ +2845→ ▲878→ ▲3318→ ▲393円→ ▲2245→ ▲301)と、久方ぶりの反落となった。そして金曜夜のNYダウは、木曜日に-1,862ドルもの大幅安だったにもかかわらず反発は鈍く、日経平均先物CFDは22,215円とすこしヘコんでもどってきた。
先週のNYダウは、週間で-1505ドル安(前稿比+1728ドル→ +918ドル→ +780→ +354→ +607→ ▲51→ ▲457→ +524→ +2666→ ▲585→ +2463→ ▲4012→ ▲2679→ +456→ ▲358)の、25,606ドルと日本株以上の下落となった。
先週の相場を振り返るに、株価はさておき、現在の世界の景況感と今後の先行き見通しには、どうもしっくりいかない。
11日(木)に国内の4-6月期「法人企業景気予測調査」が発表された。2Q景況判断は、予想▲38.4だったものが、▲47.6とかなり下方修正されて出てきた。過去2番目の低水準(※一番は09年1-3月リーマンショック後)だ。製造業も非製造業も、お先真っ暗の中、中小企業に至っては▲61.1と、こちらは過去最低。それでも企業は、「秋以降には回復する」との見通しを示しているが、2020年度の売上高予測をみると前年比▲5.2%で、経常利益計画は▲23.5%であった。ようするに秋以降に回復はしても、ビフォアーコロナの世界にまで戻れるとは思っていないようだ。また、1-3月期の同調査では利益計画は小幅増益だったように記憶しているが、2Qが悪かったためかなりの下方修正をしたことになる。
また9日(火)には、世界銀行の景気見通しが発表され、今年度の全世界は▲5.2%のマイナス成長に下方修正された。米国と日本はなかよく▲6.2%。欧州は一層ひどく▲9.2%とメタメタである。※日本はリーマンショック時の▲5.4%よりも悪化している。
1月時点での世界景気見通し予測は+2.5%であり、4月時点で▲3%まで落ちたが、今回の6月発表で▲5.2%の大幅下方修正となった。その後2021年には世界景気は+4.2%まで戻るとみているらしいが、これをみると2021年度は2019年度まで戻れない。※2021年度日本は+2.5%しか戻る予測が立っていない。
ようするに、世界経済は2022年度までは元に戻らない、と言っていることになる! 実体経済は世界的に、新型肺炎(コロナウイルス)が蔓延し続ける中では悲惨な状況のままであり、現在の株価指数が、「ビフォアーコロナの世界に戻ることを前提に株価が形成されている」ことに大きな違和感を覚える。
確かに世界中で、過去最高の金融緩和がなされており、株式市場においては金余りのジャブジャブ相場だということは理解できる。そして、ワクチンや治療薬が確立する見通しが確かなものであるならば、株価が下がっているいま買っておけば、将来的に報われる可能性は高いという考えに異論はない。
ただ、新型肺炎に関しては、まだこの期に及んで不明な点がとにかく多い疾患であると報道されており、まったく予断を許さないと考えたほうが無難である。こう考えるのもワクチンや治療薬が開発されてもきちんと効果がでるか、はまだまったくわからないのだ。※現に日本人の罹患率の低さや、極端な死亡率の低さが何に起因するものなのか説明できる人はいない。また、年内中の開発という報道には通常の新薬開発のペースを逸脱しておりかなり警戒感を感じている。
さて、いつも通り来週の株式市場がどうなるかを予想したい。
先週金曜日の米国市場であるが、前日木曜日に-1,862ドルもの大暴落があったのにもかかわらず、一時マイナス転換があったのち、なんとか+477ドル高で引けたイメージだ。比較的弱めの戻りであったといえよう。NYダウの出来高をみても、6月12日(木)の暴落時に647,780,077株の大商いであったが、13日(金)は514,437,069株と高水準ではあるものの、前日比-26%も出来高が落ちてしまっては、高値圏であった指数であるがゆえ、戻せないのも当然だ。
ただ、「世界の株価サイト」で子細に眺めると、米国債券安でドル高・円安、VIXは低下しての株高、コモディティ高(原油、資源)で、金は安かった、とどちらかといえばリスクオンであったといえる。
よって、申し訳ないのだが、筆者には現段階で今週の株価見通しが立たない。
こういう時、筆者は、【価格帯別出来高】を信じる投資手法をとる。幸いにも新型肺炎ショックで、この6ヵ月の間に売りたい筋は全員売り、買いたい人はほぼ買った、というわかりやすい構図になっているのも、このやり方の確度を上げるだろう。
そこでさっそく日経平均株価チャートで、6ヵ月の売買の節目を調べると、23000円~24000円に出来高の集中帯があるだけで、下には見当たらない。よって日経平均株価指数をみてもしょうがない。
逆にNYダウはといえば、25,400ドルに出来高の節があることがわかる。このポイントは先週の金曜日にもみ合った場所だ。それ以下では23,500~24,000ドルの大きく下方向に出来高の集中帯がある。現値は25,606ドルである。
そしてもう1つ注目したいポイントがある。
上記の画像のように、NYダウは5月26日に、前日の終値である24,465ドルをあざ笑うかのように2日連続の大きな上昇をみせ、これが現在の株高につながっていることがわかる。当時の様子を184回本稿では「NYダウの5日線(24,464ドル)が、25日線(23,950ドル)、75日線(24,356ドル)を上抜けてのゴールデンクロス達成となったことで、これがダマシでないかに注目!」と書いていた。筆者はこれがダマシでないことをみて、日経平均先物を買ったわけだ。
ようするに、NYダウが25,400ドルの節目を再度下抜け、先週の安値である25,070ドル(日経平均CFDは21,600円)をも下抜けするのなら、現値から-1150ドル安となる、24,456ドル目掛けて落ちる可能性がじゅうぶんにあるということだ。
上記のような展開を想定した場合、6月の日経平均SQ値が22,071円で、200日線は21,749円であることからも、この両ラインを明確に割るのなら全力売り、といきたいものだが、今週末は米国のメジャーSQが鎮座する! ここまで株高を仕掛けた筋が、ゴールまであと1週間(SQ)なのに、ここでやる気がなくす、とはとうてい思えないのだ。
ただ、NYダウは現値25,606ドルで、25日線は25,199ドルであることから、このラインを下回れば、相場はそうとう弱いと判断していいだろう。
まとめると、NYダウの25日線である25,199ドルを下回り、6月の日経平均SQ値が22,071円を下抜けたなら、短期で空売りをオススメしたい。また、NYダウの先週の安値である25,070ドルを下抜け、日経平均株価の200日線である21,749円まで割ってくるようなら、全力で下げ目線で戦うべきである。※ただし、同ラインでの逆指値を忘れずに。これを今週のストラテジーとしたい。
また今週のイベントスケジュールをみると、かなり経済指標が満載である。特に気になるのは、16日(火)PM21:30発表の、「米国5月小売売上高」である。現在のコンセンサスは前月比+7.4~8%と大き目の回復予想ではあるが、前回の「米国4月個人消費支出」を見る限り、前月比-13.6%であった上に、貯蓄率は前月比+33%と圧倒的過去最高水準を記録していた。よって波乱が起こるとすればこの指標発表時である可能性が高い。刮目すべし!
もう1つ。今週の大きなイベントは米中摩擦であろう。中国では18日~20日にかけて「全人代常務委員会」が開かれ、香港国家安全法の具体的な法律の条文の策定に移るということだ。現在、白人警官に暴行死させられた黒人男性ジョージ・フロイド氏の抗議デモは過激さを増し、ここ6週間ほどでトランプ大統領に支持率は明確に落ちてきているために、支持率回復を狙い、トランプ大統領が、過度な対中強硬策を取ってくる可能性が高い。

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