アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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刑事では罰金50万円ーー「敬天新聞」の白倉社主、投書を元に80回以上デタラメ記事書いて民事では500万円の判決(1審。被告は控訴)

 3月13日、東京地裁である損賠賠償請求事件の判決言い渡しがあり、田中秀幸裁判長は「敬天新聞社」(埼玉県戸田市。下右写真)の発行する「敬天新聞」並びに管理運営するウェブサイト「敬天新聞ー国賊は討て!-をスローガンに政官財の不正疑惑を告発し糾弾するサイト」に載せた記事の重要部分は、いずれも真実の証明もなければ、信じるに足る相当の理由もないとして、白倉康夫社主に対し、部下2人と連帯し計500万円の支払いを命じた(ただし、白倉氏側は控訴)。
敬天新聞社は「敬天新聞」については2017年5月から11月まで発行の7回、ウェブサイトについては同年4月から18年10月まで少なくとも80回以上に渡り、東京・南青山3丁目の地上げに関係した不動産会社のK社長(女性)に関する記事を掲載していた。
そして、その内容は①その地上げにより12億円もの手数料を得て豪遊しながら、財産を隠匿し自己破産を偽装している、②宅建建物取引業の免許更新を不正に行った、③暴力団を含む反社会勢力と関係している、④複数の男性と性的関係を持っている、⑤脱税しているなどとして、その具体的内容を記すものだった。
したがって、名誉棄損に該当するのは明らか。しかしながら、この記述が事実であり、かつ公益性があれば(この点だけでも、K社長は一不動産会社社長に過ぎない)名誉棄損に問われないのだが、判決が述べるように、その主要部分につきことごとく事実を証明できず、また信じるに足る相当の理由もなかった。
それはそうだろう。
 そもそも敬天新聞は出所不明の投書が来たとしてそれを主な素材とし、裏づけ取材は一切せず、その投書内容に白倉氏の認識ないし推測したことを加えて、それも80回以上も書いていたに過ぎなかったからだ。
そのため、さすがに一部マスコミ関係者の間でも「あれはいくら何でもやり過ぎ」、「カネをもらってK社長に遺恨を持つ者の依頼で書いているのではないか」などと噂されていた。
そして、K社長の名誉棄損容疑での告訴が受理され、18年2月9日、東京地検に書類送検されていたことを本紙では当時、報じていた。なお、この刑事の方については19年3月27日、罰金50万円の有罪判決が下っている。
一方、民事の方についてはまず記事削除の仮処分が提起され、18年10月17日に仮処分を認める決定(つまり白倉氏側が敗訴)。そして今回の損害賠償を求める民事訴訟が同年11月26日に提起されていた。

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