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<復活!!>『田沢竜次の昭和カルチャー甦り』第16回「今より遥かに濃厚接触だった三島由紀夫とその時代」

筆者・田沢竜次(フリーライター)。1953年東京生まれ。編集プロダクション勤務などを経て1983年からフリー。85年『月刊angle』連載を基に『東京グルメ通信・B級グルメの逆襲』(主婦と生活社)を書き下ろし、また文春文庫の「B級グルメ」シリーズでも活躍。B級グルメライターとして取材・執筆を続け今日にいたる。一方、大学の映画サークルで自主上映するほど映画にも精通。著書に「B級グルメ大当りガイド」「ニッポン映画戦後50年」など。

 ドキュメンタリー映画『三島由紀夫VS東大全共闘ーー50年目の信実』が3月20日から公開されており、それなりに面白く観た。
東大駒場キャンパスで三島が東大生と討論したのは1959年5月のことで、こちとら高校1年の時だが、当時も新聞やニュース
(そもそもTBSが全部収録)で話題になったので、「へえ~、こんなこともありか。三島由紀夫ってなかなかやるじゃん」なんて思っていたら、翌年の11月(25日)にあれ(自衛隊市ヶ谷駐屯地突入そ自決)だもんね。
さすがにそのときは日本史の教師が、授業を三島問題に切り替えて、皆の意見を聞くなんてこともやっていた。しかし50年を経て思ったのは、(誰かも書いてたけど)、タバコがすごい。大教室(千人くらい入る)とはいえ、一応教室の中なのに三島も学生たちも吸い放題。しかも三島はショートピ―スだもん。あの頃(高校生でもタバコ吸っていたのだ)は、主流がハイライトで、次がショートホープ、70年以降はセブンスター系が主流になって、少数派がチェリーとかエコー、さすがに「しんせい」とか「いこい」は親父の世代、さらに「朝日」はじいさんの世代だった。
ところが学生でも、かっこつけてるのが両切りのピース、なんといっても箱の色とデザインがかっこいいし、匂いもよかった。でも、両切りだと口のなかに葉が入ってくる。そこでフィルター付きのロングピースもあったが、これを吸っているのはダサいって話だった。ピースにはさらに、缶入り(50本入り)なんてのもあって、これが机の上に置いてあるのが粋だなんて風潮があったのだ。
教室でタバコなんて今だったら大問題だけど、こちとらが大学時代も授業前の休憩時間は教室でモクモク、灰皿なんて完備されていないから床で踏み消す。まあ、とんでもない環境だったのさ。
現在、コロナの件でやたらと濃厚接触があったのなかったのと大騒ぎだが、50年くらい前は、(特に若者は)今よりずーっと濃厚接触だったと思うぞ。

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