報告書は、こうした検討の結果を「選定結果」としてまとめている。
以下、その全文を紹介しよう。
「次期輸送機(試作機)搭載用エンジンシステム選定に当り、要求される性能等に対する技術的適合性の有無及びライフサイクルコストを評価した。
1.提案されたいずれのエンジンシステムも、次期輸送機に要求される性能等を実現しうる技術的適合性を有している。
2.次期輸送機の運用を考慮したライフサイクルコストは、Z社の提案が優位であり、また開発経費についても同社提案が優位であった。
以上から、Z社提案のエンジンシステムを次期輸送機(試作機)搭載用エンジンシステムとして選定する」。
前回(中)紹介したように、Z社とはGE社の匿名であり、こうしてGEは「価格の安さ」という、最もシンプルで異論の介在する余地のない理由で採用が決定されたようだ。
(写真=11月16日「朝日新聞」朝刊1面)