アクセスジャーナル記者 山岡俊介の取材メモ

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山田洋行のCX商権巡る疑惑ーーこれが、前航空機課長のGE社への発言全容(下)

以上(=前回原稿を見たい方はここをクリック)が、青木航空課長(当時)の発言の「全容」だ。これがいかに異様な発言なのかを理解するには、若干の補足解説が必要だ。  まず最初の(※注;?)発言で、青木氏はGE社のトップに対し開口一番、C-X(=次期輸送機。写真)エンジンを巡ってGEが7月30日以降に代理店契約を結ぶことを決めた日本ミライズは、日本の入札資格制度上、Dランクであり、高額の装備品を扱うには問題がある企業だ、と強調している。  さらに、日本ではマスコミもこの問題に注目している、とした上で、やろうと思えば、7月29日まで代理店契約が残っている山田洋行との間で今年度分の契約を結ぶことも可能だが、もしGEの代理店契約によって資本力に疑問があるDランクのミライズとの間で契約する事になるのなら、GE社にそのリスクの責任を負って貰いたい、と迫ったのだ。  この発言が6月19日に行われたことはすでに述べた。代理店切り替えまではまだ1ヶ月を残している。今後の展開がどうなるか判らないこの時期、しかも商社間で激しい競争が発生している微妙な案件である以上、通常の官僚マインドではどちらかに与するような発言は控え、出来ることなら関わらないようにするのが普通だ。妙に踏み込んだことを言って、自らの公平な立場が疑われてはかなわないからだ。  ところが、青木氏はパリまで出かけていって、GEのトップに直談判し、「代理店契約」をめぐる決定に噛みついている。さらに驚くべき点は、これだけの剣幕で世界的企業のトップに迫った青木氏の発言には「嘘」が含まれている点だ。  青木氏は「技術研究本部に確認したが、やろうと思えば1ヶ月で契約することも可能」と述べている。しかし、これは事実に反する。確かに、パリ訪問の前、青木課長が「なんとか1ヶ月で契約にこぎ着けることは出来ないか」と部下に検討させていたのは事実だ。しかし、そのスケジュールには無理があるとして、技術研究本部は「出来ない」と拒否している。青木氏がわざわざ「理論的には可能」と断ったのには、現実には不可能という背景があるのだ。  ともあれ、事実に反する内容まで挙げて、民と民とが交わした契約内容に強い疑問を挟む青木氏の発言は、官僚ののりを越えた「異常な」発言と言わざるを得ない。  この発言を聞いて、出席者一同は唖然としたという。なぜ官にそこまで介入されなければならないのか・・。もっとも、そこは「世界のGE」。ナンバー2のデリベロ副社長は、なぜ日本ミライズをC-Xエンジンに関するパートナーに選んだか、を冷静に、明確に説明している。(防衛省のためを思った選択なんですよ、日本政府が決めている資格の話は我々にはどうしようもないことですが、と皮肉もしっかり込めてはいるが・・)。  ところが、青木氏は退かない。退かないどころか、さらにたたみかけている(※注;?)。 「資格の話は我々には関係ない」と言われても、なお、「日本ミライズはDランクだから、契約するにはリスクがある、だからGEがそのリスクをかぶれ、と迫っている。  一人の官僚でありながら、なぜここまで激しく特定企業の信頼性に疑問を呈するのか。出席者の誰もが不思議に思った青木氏の「動機」が、次の瞬間、明らかになる。 「防衛大臣も、個人的意見として、商社を通さない直接契約出来ないか検討せよ、と言っている」・・ここでいう防衛大臣とは、当時の久間防衛大臣(写真)の事である。  青木氏は、「個人的意見」と断りつつ、俺は大臣に言われてやっているんだぞ、と明かしたのである。  ところが、GE社もさるもの。久間大臣の名前を聞いても、言下に「出来ない」と拒否している。なぜこうまではっきり拒否したのか。  それには、理由がある。日本政府と米国の商取引の慣習の違いだ。簡単に言えば、日本政府の会計システムでは、製品が納入されるまでは支払は行えない。一方、米国では契約即、支払を求められる。その間をつなぐため、商社が介在する訳で、GE社はそのシステムを変えない限り、商社抜きの契約は出来ませんよ、と、防衛予算を知る者にとっては当然のことを言ったに過ぎないのだ。  さらに言いつのる青木氏に対し、忍耐強く対応していたGEナンバー2も、遂に愛想を尽かして退席してしまう。青木課長の来訪は単なる表敬・社交辞令だと思い込んでいた出席者は、想定外の事態に呆然とするばかりだった。  事後、GE社では、さっそく事の顛末を日本ミライズに相談。青木氏の発言が防衛省全体の意向を反映したものなのか、それとも「久間大臣の個人的意見」を受けた「青木氏の個人的意見」だったのか、この際はっきりさせようと、防衛省に質問状を送ることも検討したという。が、結局、この質問状は送られる事はなかった。ほどなく、その実態が「後者」であったことが判明したからだ。 (写真=久間氏。秋山直紀氏、アーミテージ元国務副長官等と。米・ワシントンにて)…

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